ブックタイトル鉱山2020年1月号

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概要

鉱山2020年1月号

部会報告(再資源化部会)平林金属株式会社リサイクルファーム御津と三菱マテリアル株式会社直島製錬所の見学記住友金属鉱山株式会社眞野匠再資源化部会の2019(令和元)年度第2回現場勉強会は,11月5日(水)と6日(木)の2日間に渡り開催され,初日は岡山県の平林金属株式会社のリサイクルファーム御津を,その翌日は香川県の瀬戸内海の三菱マテリアル株式会社直島製錬所を見学・勉強させていただきました。この両日,雲一つない絶好の秋晴れに恵まれ,1日目の昼過ぎには岡山駅の桃太郎像前で参加者11名が集合し,最初の見学地に向かうべく手配いただいたバスへ乗り込みました。岡山駅から1時間足らず北上を続け,山間部に位置した岡山市北区の御津工業団地にあるリサイクルファーム御津には,予定通り14時前に到着しました。まず,会議室にて吉岡副所長や中村様より会社説明とビデオによる事業紹介がありました。リサイクルファーム御津は,2001(平成13)年4月より小型家電(冷蔵庫,エアコン,洗濯機,テレビ)やOA機器(コピー機,ATMなど)のリサイクル工場として設立され,現在では,前者4品目で年間61万台のリサイクル処理を行っています。また,昨年度からは,使用済み太陽光パネルをガラスとEVAフィルム等に分別して,それぞれリサイクルすべく開発を手掛けているそうです。こちらのリサイクルプロセスの特徴は,これまでの経験を基に,ネジ1本に至るまで丁寧かつ徹底した分別を手解体で行うことで,その後の破砕と自動選別では,高い効率と精度を実現していることです。さらに,日々変わり続ける製品構造を研究し,選別ロスや一層の処理能力向上を図るために,自社の開発部やヒラキンテック(設備関連の子会社)で常に改善を進めているとのことでした。この活動により再商品化率80%台後半や再資源化率95%を達成されているそうですが,廃棄ロスや埋立てを極力減らす弛まぬ企業努力が,高いリサイクル率の達成にはとても重要である印象を強く受けました。実際にその様子を現場で見学させていただきましたが,その見学コースは高さ2階に位置する所に専用通路が設けられ,解体・選別のレイアウトや作業の様子を,つぶさに見ることができました。採光にも十分配慮された解体作業区画がリサイクル品種毎にそれぞれ設けられ,整理整頓が行き届いた現場で整然と解体作業等が行われており,種類毎の回収と流れ作業での次工程連携が行われていると感じました。15分ほど見学させていただいた後に再び事務所に戻ると,岡山県内で展開を進めている『えこ便』という名の回収店舗の紹介がありました。各種金属(鍋・スプーン・自転車・ホイール)や空き缶の他,小型家電,パソコン,携帯電話,写真1リサイクルファーム御津家電製品分解・選別エリア-46-鉱山第782号2020年1月