ブックタイトル鉱山2020年1月号

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概要

鉱山2020年1月号

部会報告(工務部会)神岡鉱業株式会社発電設備・「スーパーカミオカンデ」見学記日鉄鉱業株式会社坂本慶太今年度の日本鉱業協会工務部会が企画した『神岡FIT系統連系』関連施設の視察は,茂住坑内湧水発電所,神岡宇宙素粒子研究施設スーパーカミオカンデ」および『跡津・土第一発電所』を運用,管理している神岡鉱業株式会社(岐阜県飛騨市)へ参加者9名の見学会となった。台風18号の接近により開催も危ぶまれていた中,小雨程度に留まり午前11時過ぎには参加者全員中型バスに乗り込みJR富山駅を出発した。途中昼食を挟み神通川流域の国道41号線を1時間程バスに揺られ,総合事務所に到着した際には神岡鉱業㈱電力部林部長,吉原係長をはじめスタッフの方々にお迎えいただき,会議室にて同社の事業内容をご説明いただいた。亜鉛製錬工場で使用する鉱石は北米より輸入していることや鉛リサイクル工場では廃バッテリーを原料としたマテリアルリサイクルを行っていること,また工場で消費する電力量の約70%を賄う水力発電所を有しており,全10箇所の発電所の内,5箇所に対し再生可能エネルギー固定価格買取制度を利用した更新工事(FIT化)がなされたことを伺った。跡津事務所に移動した際には,木村鉱山部長より神岡鉱山の概況説明を頂き,その後坑内に入るための保護具を着用し坑道案内用の2台の乗用車へ搭乗し入坑,真っ暗な坑道を2kmほど進み,神岡宇宙素粒子研究施設である「スーパーカミオカンデ」を皮切りに茂住坑内水力発電所,跡津発電所,土第一発電所および土変電所の工程で見学がスタートした。坑内は年間を通して湿度は高いものの気温13~14℃ということもあり,ジャンパー式の作業着を羽織っていても肌寒い感じがした。1.スーパーカミオカンデ(神岡宇宙素粒子研究施設)スーパーカミオカンデは,岐阜県飛騨市神岡町神岡鉱業株式会社茂住坑内に設置された,東京大学宇宙線研究所が運用する世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置であり,Super-Kと略されることもある。坑道内の電気室のような扉を開けると元文部科学大臣有馬朗人先生から贈られたとされる「宇宙線は天啓である」(次頁の集合写真を参照)の言葉が空間を支配し,“宇宙・夢・創造・科学”など心を躍らす言葉が並べられた空間へと導かれた。全長7kmにも及ぶケーブル群から息をつく間もなく送られてくる測定データをエンジニア達が解析している横でカミオカンデの紹介ビデオを視聴させていただき,その後“迷子にならないように各自注スーパーカミオカンデ実験室入口鉱山第782号2020年1月-41-