ブックタイトル鉱山2020年1月号

ページ
38/80

このページは 鉱山2020年1月号 の電子ブックに掲載されている38ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2020年1月号

野では,外部バイアスの利用を良くないと考える風潮があるが,エネルギー変換システムに関しては,「悪者はエネルギー変換ロス部分」である(図4)。エネルギー変換ロスは2や3の中に含まれる。外部バイアス分の投入された補助電力のエネルギー1はほとんど水素の中に貯蔵されているので,外部バイアスの利用自体は控える理由は無く,率先して行うべきである。片側だけの光電極の太陽エネルギー変換効率をHC-STH効率(Half cell Solar-to-H 2)やABPE(Applied bias photon-to-current efficiency)と表現するが,通常の太陽エネルギー変換効率(η)と等価である。(HC-STHは参照電極基準でABPEは対極基準という仕分けもあるが,光電極(A)φ=100円/m 2 /%φ=500円/m 2 /%(B)ε=25円/m 2 /%/y太陽エネルギー変換効率(?):%1230酸化物アノードの目標15006000受光部の面積単価:円/m 2★太陽電池+水電解(現状)サンベルトで23~29円/Nm 3‐H 2相当レドックス光触媒の目標寿命(y):年2040酸化物アノードの目標100レドックス光触媒の目標効率単価(φ):円/m 2 /%★太陽電池+水電解(現状)サンベルトで23~29円/Nm 3‐H 2相当500図3(A)太陽エネルギー変換効率と面積単価の関係。図1の横軸を逆にして,定量性を高めている。傾きが効率単価。(B)寿命と効率単価の関係。電流(I)電流=水素生成速度(B)の外部バイアスで投入する電力(B)光電極アノードのI‐VO 2 /H 2 O1 2 3(A)通常の水電解のI‐V0 1.23V対極に対する電圧(V)4(C)光電極カソードまたは太陽電池のI‐V図4水電解の電流電圧特性と投入電力の関係図。通常の水電解(A)の電流電圧特性では,必要な投入電力は1+2+3である。光電極アノード(B)では1のみ電力を投入すれば良い。光電極の貢献分は2+3であるが,2のみをABPE(横軸が対極電圧の場合)とする。1および2のエネルギーは水素に貯蔵されており,全く無駄にはなっていないことがわかる。外部バイアスに光電極カソードを使う場合は,1=4の時に最適化する。逆に最適化できない場合は全てロスになるので,最適点を制御しやすい外部バイアス法は格段に有利である。鉱山第782号2020年1月-29-