ブックタイトル鉱山2020年1月号

ページ
26/80

このページは 鉱山2020年1月号 の電子ブックに掲載されている26ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2020年1月号

Figure 3アノードにTiO 2,カソードにAg-TiO 2を用いた太陽電池の発電試験。極間抵抗0.5Ωで光電流経時変化の(A)Ag含有量依存性および(B)電解液のpH依存性。(C)極間抵抗を500kΩから0.3Ωに変化させた電流-電圧依存性。縦軸は全て光電流を示すTable 1発電試験での,外部からのガス供給・アノード塩酸上のヘキサン・両極間のNafionの通気用穴の有無の組合せTest N 2 /O 2 supply Hexane@anode Vent hole@Nafion1◯××2×××3×◯◯4×◯×5××◯次に,アノードで生成したO 2が両極を仕切るプロトン伝導膜の気孔(Figure 4)を通ってカソード側に移動すればよいと考え,Test 5を実施した。その結果,Test 2より光電流はわずかに劣っていた(Figure 5)。本実験で生じたO 2は数μmolレベルのため,気圧差によるO 2の移行は起こらなかったといえる。O 2の水への溶解度は0.23×10 -4 mol分率(25℃)であるから,40mL電解液中に51μmol溶解することになる。発電試験前に両極をN 2,O 2でそれぞれパージしていることも考え合わせると,アノードで光触媒生成したO 2のほとんどは電解液にFigure 4 HV-SCの模式図と,スタンドアローン化に関するパラメーターの図示溶解している計算になる。そこで,アノード電解液の上にO 2の溶解度が水より大きい(19.8×10 -4 mol分率)ヘキサンを等容積加えて,発電試験を実施した。ヘキサンの有無(Tests 2,4)で比較すると,最大で2倍近い光電流の増大が見られ,アノードで光触媒生成したO 2が水相からヘキサンへ優先的に移行することで,逆反応鉱山第782号2020年1月-17-