ブックタイトル鉱山2020年1月号

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概要

鉱山2020年1月号

度は長期的,かつ継続的な資源開発に必要不可欠なものであることから,業界にとり使用しやすく,効果のある総合的な鉱物資源確保の支援につながるよう,発展的に改善することを目標に,本年及び来年をかけて努力していきたいと考えております。また現在資源・燃料分科会などを通じ,「新・国際資源戦略」の策定を進めている経済産業省に,日本鉱業協会も業界として議論に加わり,リスクマネー供給機能の強化など,求めていきたいと考えております。2点目の「電力問題」につきましては,2019年は新たに再稼働を認められた原発がなく,安全性確保を大前提とした原発再稼働はスムーズに進んでいるとは言い難い状況です。またFIT制度において,年々増大する賦課金の負担の影響は極めて大きく,国内の電力料金は高止まりを続けており,このままでは熾烈な国際競争に挑む当業界の競争力を,著しく弱めることとなります。我が国ものづくりの基盤である非鉄金属素材の安定供給や,循環型社会の構築といった当業界の社会的使命を果たしていく上においても,国際的に遜色のない価格水準での安定的な電力供給は極めて重要であります。引き続き安全性基準に適合した原発の早期稼働や,FIT賦課金の減免措置の維持・拡大,省エネ補助施策の継続などを通じ,電気料金の影響緩和と安定的な電力供給の実現を,強くお願いしていこうと思います。3点目の「リサイクルによる持続的な循環型社会の構築」につきましては,2018年10月の改正バーゼル法の施行により昨年4月,ついに使用済み鉛蓄電池の韓国への輸出量がゼロとなりました。日本の環境基準と同等の基準を満たしていない処理先への輸出が禁止され,国外での環境問題を防ぐと共に,国内での非鉄金属資源の適正循環の確保が成されました。今後も持続的な循環型社会の担い手として,当業界の社会的責任の重要性は益々大きくなります。日本国内における銅製錬,鉛製錬,亜鉛製錬から成る再資源化ネットワークの維持・拡大,より適正なリサイクルシステムの整備・構築に,これまで以上に業界として取り組んでいきたいと考えております。4点目の「人材確保と育成の強化」につきましては,企業人派遣講座や科学技術館の小中学生向け展示ブース常設などの取組みを通じ,業界が豊かな社会づくりに不可欠な素材・技術を提供する産業であり,また循環型社会の構築に大きな役割を果たしている産業であることを,若い段階から認識してもらえるよう取り組んでおります。魅力ある業界であると社会に周知するためには,長期的な視点で地道に取り組むことが重要であり,国や関係機関による支援もお願いし,さらなる努力を進めていきたいと考えております。以上,重要な課題を述べて参りましたが,当協会が直面する諸課題の解決に向け,日本鉱業協会及び協会員は,本年も全力を挙げて取り組む所存でございますので,関係者の皆様のご理解とご支援を引き続き賜りたく,何卒よろしくお願い申し上げます。最後に,新しい年の初めにあたりまして,皆様の益々のご発展とご健勝を祈念いたしまして,年頭のご挨拶とさせていただきます。以上-2-鉱山第782号2020年1月