ブックタイトル鉱山2020年1月号

ページ
10/80

このページは 鉱山2020年1月号 の電子ブックに掲載されている10ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2020年1月号

《年頭挨拶》年頭所感日本鉱業協会会長小野直樹あけましておめでとうございます。2020年の新春を迎え,謹んで皆様のご健勝をお慶び申し上げます。昨年,2019年を振り返りますと,世界経済が同時減速し,不透明感が増す一年であったと考えます。この景気の減速は,米中に代表される貿易摩擦,英国のEU離脱問題,中東・香港・チリ等地政学的な情勢緊迫などを起因とする,将来への不確実性がもたらしたものと思われます。我が国経済も,輸出を中心に弱さが続き,非鉄金属業界の市況も,電子部品関連及び自動車向け需要の落ち込みが継続し,全体的に不調であった一年であったと思われます。昨年までは厳しい外部情勢でしたが,改めて年が明け,本年2020年は,東京オリンピック・パラリンピックが開催される年となり,景気にも一定の回復が期待できるか,という幕開けとなりました。さらに年の後半に予想される,5G投資の本格化に伴う非鉄需要の活性化も見込まれます。このように幾分かの期待感を持って新年を迎えていたところ,年明けに大きなニュースが入りました。中東における米国とイランの情勢緊迫の報道です。ややもすると,本年も将来への不透明感から中々抜け出せない状況に至る可能性もあります。しかし,このような唐突な状況の変化は,唐突であればこそ,再びまた異なる方向へと変化する可能性もあります。年の初めは苦しくともなんとか凌いで行き,年の後半には,晴れ渡るような世界情勢,景気となることを期待したいと願っております。さてそのような中,当業界にとり,本年の重要な課題となるのは,就任記者会見で掲げさせていただいた通り,「資源の安定確保」,「電力問題」,「リサイクルによる持続的な循環型社会の構築」,「人材確保と育成の強化」の4点です。1点目の「資源の安定確保」につきましては,これを実現する上での重要項目である鉱業税制において,昨年末に海外投資等損失準備金制度の2年間の延長が認められる見通しとなりました。これは経済産業省をはじめ関係者の皆様の多大なご尽力の賜物であり,深く感謝申し上げる次第です。一方で,金属鉱業等鉱害防止準備金制度は,7年間の経過措置付きながらも廃止となる見通しです。昨今のように自然災害が増大する中にあっては,休廃止鉱山の維持管理等に関し,引き続き状況に合わせて柔軟な支援をいただきたいと考えております。なお2年後の2022年3月末には,再び海外投資等損失準備金制度が適用期限を迎え,同時に減耗控除制度も適用期限を迎えることになります。あらためて申し上げるまでもなく,これら支援制鉱山第782号2020年1月-1-