ブックタイトル鉱山2019年12月号

ページ
27/52

このページは 鉱山2019年12月号 の電子ブックに掲載されている27ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2019年12月号

(2)亜鉛の需給見通し(表3)・需要亜鉛地金の世界需要は,2019年に0.1%減少して1,367万トン,2020年には0.9%増加して1,380万トンになると予測される。中国での需要は過去2年間減少したが,2019年には0.6%増加すると予測される。自動車生産量の急激な減少にもかかわらず,亜鉛メッキ部門の需要は2019年の最初の7か月間が,2018年同期比で増加した。これは不動産建設と公共インフラへの投資の増加によるものである。2020年には中国の需要はさらに1.2%増加すると予測される。米国の見かけの需要は,2019年に4.8%,2020年は1.1%増加すると予測されている。2019年の欧州の需要は3.7%減少すると予測されるが,これは最大の亜鉛めっきメーカーであるBritish Steelが5月に破産宣告したことで,ドイツと英国での需要が減少するからである。2020年には,欧州での亜鉛需要は0.5%増加すると予測されている。その他の地域では,2019年にインドと日本で需要がわずかに減少すると予測されている。2020年にはインドでは回復するが,日本ではさらに減少する見込みである。・供給世界の亜鉛鉱山の生産量は,2019年には2%増加して1,302万トン,2020年にはさらに4.7%増加して1,364万トンになると予測されている。2019年のオーストラリアの生産量の大幅な増加は,主に5月のWoodlawn尾鉱プロジェクトの試運転の結果と,2018年に操業を開始したMMGのDugald River鉱山,GlencoreのLadyLoretta鉱山,New Century ResourcesおよびHellyerが運営する尾鉱プロジェクトの貢献による。2020年には,オーストラリアの生産量は横ばいになると予測されている。2019年は,オーストラリア,中国に加え,2018年後半にVedantaのGamsberg鉱山が操業開始した南アフリカで増産が予測されるが,ペルーと米国での6.4%と7.8%の大幅な減産によって部分的に相殺されると見込まれる。アルゼンチン,ボリビア,エリトリア,カザフスタン,トルコ,そして主にフィンランドとアイルランドでの減産の影響を受ける欧州でも生産量は低くなると予測されている。2020年には,多くの新しいプロジェクトと既存鉱山の能力拡張の恩恵を受けるインド,カザフスタン,メキシコ,ポルトガルでの生産量が増加すると予測されている。中国,アイルランド,イラン,ナミビアでも生産は増加するが,フィンランド,ペルー,米国では減少すると予測されている。世界の亜鉛地金生産は,2019年に2.5%増加して1,349万トンになると予測される。2020年は3.7%増加して1,399万トンになると予測されるが,これは中国のさらなる増産と,イ表3世界の亜鉛の鉱石,地金生産量と地金消費量単位:千トン鉱石生産量地金生産量地金消費量亜鉛2018年実績2019年最終推定2020年予想2018年実績2019年最終推定2020年予想2018年実績2019年最終推定2020年予想ヨーロッパ1,1561,1481,2032,5072,4202,4742,4302,3402,352アフリカ4215476746768120156155156ペルー1,4751,3801,360------カナダ---685655685---アメリカ------868910920他北南米2,6062,5362,6251,0441,1161,220755754756中国4,3124,3554,4505,6706,0706,1706,5026,5406,620他アジア1,6771,6231,8862,7022,6962,8462,8192,8212,847オセアニア1,1121,4311,440496469478155152150世界合計:亜鉛12,75913,02013,63813,17113,49413,99313,68513,67213,801中国の比率33.8%33.4%32.6%43.0%45.0%44.1%47.5%47.8%48.0%*ペルー,カナダ,アメリカの「-」の部分は他北南米に含まれる。出典:国際鉛亜鉛研究会-20-鉱山第781号2019年12月