ブックタイトル鉱山2019年12月号

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概要

鉱山2019年12月号

少して1,181万トン,2020年には0.8%増加して1,190万トンになると予測されている。2019年は中国での需要は1.1%減少すると予測される。これは,自動車生産の減少,オートバイとeバイクの両方のセクターでリチウムイオン電池の使用比率が高まること,および無停電電源装置(UPS)バックアップシステムでリチウムイオン電池の使用が増加することが影響している。2020年には,中国の需要はさらに0.5%減少すると予測される。鉛の需要は,2019年に欧州と米国の両方で0.7%減少すると予測される。2019年上半期にはドイツで新車の販売が停滞し,フランス,イタリア,スペイン,英国を含む他の多くの欧州諸国でも自動車部門の市場は低調であった。米国では,1月から8月の鉛バッテリー出荷量が2018年同期比で3%以上減少した。しかし,研究会の最新の予測では,2020年には欧州で0.8%,米国で1.2%回復すると見込まれている。・供給2019年と2020年の世界の鉛鉱石の供給は,それぞれ1.7%増加の476万トン,3.9%増加の494万トンになると予測されている。インドのHindustan亜鉛鉱山の拡張完了と,オーストラリアでの生産量の大幅な増加が相まって,2019年の生産量増加に大きな影響を与えると思われる。メキシコ,ポーランド,南アフリカでも増産が予測される。ボリビア,カザフスタン,米国では,2018年と比較して生産量が減少すると予測される。2020年の世界的な供給増加の予測は,主にオーストラリアとインドでのさらなる増産によってもたらされる。カナダ,カザフスタン,メキシコなど,新しい生産能力が稼働すると予測される国でも,より高い生産が期待されている。欧州では,鉛鉱山の生産量は2019年に2.3%増加した後,2020年にさらに2.2%増加すると予測される。研究会は,2019年に世界の鉛地金の供給が0.3%減少して1,176万トンになると予測している。2020年には1.7%増加して1,196万トンになると予測している。鉛精鉱の入手可能性の向上と鉛生産のための主要亜鉛製錬所の改良の恩恵を受けて,インドでの鉛地金生産量が大幅に増加するにもかかわらず,研究会は2019年に世界の鉛地金生産量が0.3%減少すると予測している。この減少は,NyrstarのPort Pirie製錬所の技術的問題によるオーストラリアでの生産量の大幅な減少,Glencoreが2018年12月にPalpala製錬所を廃止したことによるアルゼンチンでの減少,およびBelledune製錬所の産出量がストライキによってマイナスの影響を受けたカナダでの減産によるものである。中国と米国でも,生産量がわずかに減少すると予測されている。2020年には,オーストラリア,ベルギー,カナダ,インド,およびイタリアでの生産量の増加により,鉛地金の供給量が増加すると予測される。中国での生産はわずかに0.2%増加すると予測される。・鉛地金の需給バランス(表2,図1,図2)加盟国から最近受け取ったすべての情報を考慮して,研究会は2019年に鉛地金の世界的な需要が供給を4万6千トン上回ると予測し表2世界の鉛地金需給バランス単位:千トン鉛地金生産:A11,05911,30811,70811,79711,93611,76311,958地金消費:B11,05011,26811,86511,86811,86511,80911,903需給バランス:A-B940-157-7171-4655出典:国際鉛亜鉛研究会-18-鉱山第781号2019年12月