ブックタイトル鉱山2019年11月号

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概要

鉱山2019年11月号

ちょうどロンドン証券取引所への買収提案が不調に終わったばかりではありましたが,昨今の香港における政治・社会の混乱に言及し,中国政府の「一国二制度」による香港統治システムには限界がある,との内容であり,香港のビジネス界上層部が,公然と一国二制度を問題視する発言を行うという時世の変化に,驚きを感じました。さらに本年のLME week直前には,Chileにおいて社会格差是正とPinera大統領の辞任を要求する暴動が発生し,その影響からChile要人の出席が急きょ取りやめになる事態もありました。また,ちょうどBrexitの議論の渦中のLMEweekとなったため,当初はもしかすると合意なき離脱に立ち会うことになる可能性もありました。結局10月末の離脱期限の直前で議会合意がなり,EU側も承諾したため,離脱は2度目の延期となり,LME week中に劇的な変化が起こることはなかったのですが,街中の雰囲気としては,あきらめの境地に似た反応が見られました。Londonのタクシー運転手は,日本はUKと同様,力ある大陸に取り込まれるのを嫌う島国だろ,と日本から来たと言う私に共感を求めつつも,それでも混乱は避けたいがために,「一度Brexitし,やっぱりダメでもう一度EUに加入する」というのがideal(理想的)と思っている,と言っており,この問題は外から見た限りではわからない,歴史的な感情論も含めた難しい問題であるな,と改めて感じたものです。一方,ワールドカップラグビーの開催期間中でもあり,Englandが決勝に残っていた時期でもあったため,ラグビーに関わる話題も多くありました。Londonのパブは午前中からオープンして酒を飲みながら観戦ができたようです。惜しくもその後Englandは決勝でSouth Africaに敗れましたが,このように話題に出ていたことから,日本の快進撃と共に,私の心にも深く残るワールドカップとなりました。日本にいてもニュースとしては耳に入ってきますが,当事者等から語られると,改めて世界の出来事にも関心を強め,一面的でない考え方を身につける必要があるのではないか,と思いました。最後になりましたが,今回のLME Dinner出席にあたり,ご協力いただいた関係者の皆様に,この場を借りて厚く御礼申し上げます。どうもありがとうございました。会場風景,左端が筆者-22-鉱山第780号2019年11月