ブックタイトル鉱山2019年11月号

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概要

鉱山2019年11月号

かなり独特でありウーンと思いましたが,今ではこれがないと何か物足りない気になっています。またカンバーランドソーセージは,日本やドイツのシャウエッセンと比較すると,ふにゃっとした歯切れであり,これまた当初は思ったものと違ったのですが,このパンのような噛み応えも,慣れると味わい深いものです。マッシュルームは基本,何の味もしません。UK飯が不味いとよく言われる所以の一つとして,移民が多い国故,味付けを個人個人の好みに任せる,といったところが理由であるのかと私は思っています。出されたものがシェフの知恵と技術を凝らした素晴らしいマリアージュがあり,その想定の下に食べることが最もおいしい状態となるFranceや日本の料理とは異なりますが,自分で味を決められるというのが,成文法がなく,慣習法で人々の良心に依存する,UKの気質が見られるような気がします。Piccolo Barは,ガラスケース内にハム,ツナ,チーズ,ミートソースパスタやペンネ,野菜類,パイ類,ピクルス類,塩漬けニシン,スクランブルエッグなど様々な料理を配し,客は好みで食材を指示した上でパンにはさんだり,またスパゲッティーやパイとして食べたりすることも可能な,オーダー制の小規模売店(飲食スペースも少しある)です。屋台に近い感じであり,良心的な価格と,選択が客の自由というところが,面白い類のお店です。定番はホットサンドであり,私は今回,ハム&チーズ,ベーコン&エッグのホットサンドを食べています。これにコーニッシュパイとコーヒーか紅茶をつけて,7,8£(≒1,000円)と満足に仕上がります。美味しくいただきました。サンドイッチの他に有名なUKの料理と言えば,フィッシュアンドチップスやローストビーフが思い浮かぶかと思いますが,これらは両方ともパブで食べることができます。私の行きつけのパブは,住んでいたWimbledon近くのTheAlexandraと,Holbornにある当社オフィス近くのThe Ship Tavernです。The Ship Tavernは当時昼食でもよく行っていたため,今回も訪れたいところの一つとして,懐かしの地へ寄ってみました。私の事務所は一人事務所でした。欧州は一人で入りやすいレストランはあまりなく,一人の場合は得てして持ち帰りの店かバーガーキングなどのファストフードになりがちです。そんな中,お昼時のパブは落ち着けるため,一人飯がしやすい良い場所であり,また温かい料理が食べられる場所であり,よく通った記憶があります。今回は,懐かしいビーフハンバーガーを食べましたが,ボリュームいっぱいでとても満足でした。一緒にギネスビールを1パイント,感慨深いひと時でした。なおLME dinnerで供された料理は,前菜としてズッキーニと赤玉ねぎのコロッケ,メインがホロホロチョウのハーブマリネのオーブン焼き,デザートがアップルタルトでした。最初に記した通りの,ザ・ゲルマン系料理,でした。次に思うところとして,LME dinner及びLondon全体の雰囲気です。前々回参加した2012年は,香港証券取引所にLMEが買収された年であり,中国人の参加者がとても多く,香港証券取引所の李小加(Mr. CharlesLi)CEOによるスピーチも,途中から中国語に変わった記憶があります。またあちこちから「乾杯!」という一気飲みの声が聞こえ,ドラゴンも舞っていました。そのような経験から,今回のLME dinnerも基本的な情勢は変わらないだろうな,と思っていたのですが,そんなことは全くなく,逆に中華色はあまりありませんでした。これは,習近平国家主席による倹約令の影響がある,というのが参加者から聞いた話です。習近平国家主席は,接待の簡素化や出張時の随行者縮小を命じており,汚職摘発と同時に指導部の看板政策となっている影響を,身体で感じました。また,LME Dinnerの中では,今年も李小加(Mr.Charles Li)CEOによるスピーチがありました。鉱山第780号2019年11月-21-