ブックタイトル鉱山2019年11月号

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概要

鉱山2019年11月号

特別理事,三菱商事塩原金属資源トレーディング本部長,Triland Metals前尾会長,三井物産菊地原執行役員の5人がいらっしゃいました。私はTriland Metalsの招待を受けましたが,トップテーブルに近い席であり,とても良い席でした。今回のLME dinnerのGuest of Honour(主賓)は,Sir John Scarlett KCMG OBEであり,2004年から5年間,MI6の長官を務めた人物です。MI6は言わずと知れた英国秘密情報部のことであり,007シリーズでJames Bondが属していたあのMI6です。007に出てくる局長Mのさらに上官に当たる人(フィクションですが)のスピーチであり,個人的にどんなことを話すのか,どれくらい話すのか,気になっていました。しかし,結局MI6ならではの秘話と言えるような話は当然ながら機密中の機密であり全くなく,スピーチは現在の混迷を深める世界情勢,東西の力関係の変化,及び技術の驚異的な発展,グローバリゼーション,格差社会への警鐘など,一般的な内容に終始し,あまり面白くはなかったなというのが正直な感想でした。会は滞りなく進み,22時過ぎには徐々に散会となり,私の4回目のLME dinnerは終了しました。毎回感じることですが,LME weekは実り有っても,LME dinnerは参加することに意義があり,雰囲気を味わうものだなというものです。1度は参加すべきですが,2,3度目ともなるとお腹いっぱい,と言えますでしょうか。さて,今回のLME dinnerの大まかな流れは前記の通りでしたが,久々のLondonに際し,私が感じたことや思ったこと,読者に伝えたいことなどを以下2点に記しておきたいと思います。最初にUKの食事について,です。UKの食事は世界的には美味しくないもの,とされています。私も確かに一部そう思います。欧州の国の中では,Italy,Spain,Portugal,France等魚介類が豊富で米食文化もあるラテン系民族主体の南欧に比し,どうも北部のゲルマン系の国は食事には拘らないのか,味付けが直線的なものが多く,また特徴あるメニューも少ない気がします。しかしLondonは世界の美味しい食事が集まる場所故,けして不味い街ではありません。そんな前提のもと,今回のLME weekにおける食事情を振り返ってみたいと思います。今回私が宿泊したホテルは,Intercontinentalでした。私はこのホテルがあまり好きではありません。立地が悪く,コンビニエンスストア(現地ではCorner Shopと言う)やスーパーなどが遠いこと,バス停へのアクセスが悪いこと,業界人が多く泊まっており,よくすれ違いが起こること,部屋数が多く,部屋からエレベーターへの距離が遠くなること,などが挙げられます。特に物価が高く,円貨で活動している我々日本人にとってつらいのが,ホテルの朝食です。今回のLME weekの時は比較的円高でしたが,それでも1£=140円程度であり,一方ホテルの朝食代は,ベーシックなイングリッシュ・フルブレックファストでも35£となり,日本円に換算すると約5,000円です。社用のブレックファストミーティングでもなければ朝食代は基本自腹なジャパニーズサラリーマンにとり,これは如何にも厳しい。と言うことで,必然的に手ごろな場所まで歩いて外食or持ち帰りとなります。今回私は,最初の朝はPiccadillyのBillsレストランにてイングリッシュ・フルブレックファストを,最終日の朝は以前2005年時の何もわからない頃に,先達に教えていただいたホテル近く(徒歩5,6分)のPiccolo Barを今年も使用しました。イングリッシュ・ブレックファストは,トラディショナルなものでは,卵2個の目玉焼き,カリカリベーコン,カンバーランドソーセージ,ローストトマトの半切り,マッシュルーム,半円形に成形されたポテト,ベイクドビーンズ,ブラックプディング,それから薄いトースト数枚で構成されます。これに紅茶をつけて大よそ12£,地方では10£以下で食べられます。ベイクドビーンズは,インゲンマメを甘いソースで煮たもので,昔最初に食べた際には,甘い豆が-20-鉱山第780号2019年11月