ブックタイトル鉱山2019年11月号

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概要

鉱山2019年11月号

政国策際動情向報2019年国際銅研究会秋季会合報告日本鉱業協会企画調査部一条瑛1.はじめに2019年10月22日から23日にかけて,ポルトガルのリスボンにて,国際銅研究会(ICSG)等の秋季定期会合が開催された。それぞれ,各商品の市場動向や需給予測,業界を取り巻く環境変化や課題等についての情報共有がなされた。加盟国(23か国とEU)の政府代表,国際機関,産業団体,企業,調査機関等から多くの専門家が出席した。2.統計委員会2019-2021年銅需給予測(図1,2,3,及び表1,2,3,4,5参照)――銅地金需給は,2019年まで供給不足となるが,2020年及び2021年は供給余剰に――(1)銅鉱石生産―2018年2.5%増,2019年0.4%減,2020年2.1%増,2021年3.5%増2018年の銅鉱石生産量は,2017年に発生した供給障害の影響から回復した上,大きな供給障害が発生しなかったことから,2017年比2.5%増の2,057.5万tと増加した。内訳は,精鉱が2.3%増の1,667.7万t *,SX/EWが3.3%増の389.8万t *。コンゴのカタンガ鉱山の再稼働やザンビアでの生産増加が寄与した。2019年の銅鉱石生産量は,2018年比0.3%減の2,050.4万t *と予測。内訳は,精鉱が0.1%減の1,665.7万t *,SX/EWは1.8%減の382.6万t *。コブレデパナマ鉱山(パナマ)の追加供給開始,トケパラ鉱山(ペルー)の拡張及び中小鉱山の操業開始がある一方,インドネシアの大幅な減産(グラスベルグの坑内堀移行及びバツヒジャウ鉱山のフェーズ7への移行)と,ザンビアの規制及び課税関連の問題,主要生産国(チリ,米国,ペルー)での品位低下等により生産量増加は相殺されると予想。2020年の鉱石生産量は,2019年比2.1%増の2,092.1万t *と予測。内訳は,精鉱が3.2%増の1,719.1万t *,SX/EWが2.5%減の373.0万t *。インドネシアの生産量の回復とともに,アフリカの鉱山からの追加供給が成長に寄与する見込み。2021年の鉱石生産量は,2020年比3.5%増の2,164.5万t *と予測。内訳は,精鉱が3.5%増の1,779.5万t *,SX/EWが3.2%増の385.0万t *。*供給障害分を差し引いた数字。(2)銅地金生産―2018年2.4%増,2019年0.6%増,2020年4.2%増,2021年0.7%増2018年の銅地金生産量は,製錬所の供給障害及び技術的改修のための操業停止の影響を受けたものの,2017年比では2.4%増の2,409.8万t。内訳は,銅精鉱出やSX/EWの一次銅地金が2.9%増の2,005.5万t **。スクラップを原料とする二次銅地金は0.2%減の404.3万t。最大の生産国の中国が4.2%増と高い成長を維持した他,日本,米国,チリ,ペルー,豪州,ロシア等で増産,カナダ,インドネシア,EU等で減産となった。2019年の銅地金生産量は,2018年比0.6%増の2,425万t **と予測。内訳は,一次銅地金が0.5%増の2,015.0万t **,二次銅地金は1.5%増の410.5万t。電解工程の能力拡大を継続する中国は,2018年比5.7%増の982万tと予測。多くの製錬所で供給障害が生じた他,技術的更新のための定修の結果,春季会合時の予測より成鉱山第780号2019年11月-9-