ブックタイトル鉱山2019年10月号

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概要

鉱山2019年10月号

ました。選鉱場は,廃止後しばらく設備が残っていましたが,無断で立入る人がおり危険とのことで平成15年に撤去されています。現在はコンクリートの基礎部分,資材・人を上下に運搬したインクライン跡,5基のシックナーが確認できました。建物はないのですが,近づくと斜面が迫り,傾斜26°高低差75mの斜面を利用した選鉱場の仕組みが想像されました。【ムーセ旧居】生野鉱山は,明治に官営鉱山となり外国人技術者による近代化が進められました。フランス人技師ムーセの住居は生野鉱山に造られた宿舎で,神子畑鉱山に移築された後は鉱山事務所兼診療所として使われていました。閉山後は資料館,写真館として利用されています。中では選鉱場の模型,写真,映像を見ることができました。特に選鉱場の模型は,地形を利用した設備の配置が詳しく作られており,往時の稼働状態が感じられるものでした。ムーセ旧居は,土日祝祭日のみ開館しているとのことです。【一円電車】明延鉱山の鉱石運搬用の電車で,正式名称は明神電車軌道(軌間:762mm,距離:6.36km)と言いましたが,従業員や家族,または関係者は1円で乗れたことから一円電車と呼ばれていました。利用者人数把握の為,1円を徴収していたとのことです。鉱石運搬は,前後の電気機関車で5tグランビー鉱車30両を挟み,一度に鉱石150tを運搬していました。【明延鉱山各集積場】旧神子畑選鉱場のシックナースライム堆積場として,間歩谷(高さ60m,幅285m 3),鳥の奥(高さ104m,幅320m),鳥の奥第二(高さ100m,幅271m)の3つの捨石集積場がありました。いずれの集積場も鉱山保安法の新基準に対応する耐震のための安定化工事を行う予定とのことです。鳥の奥集積場の安定化工事は間もなく着工予定とのことでした。一円電車客車内鳥の奥第一捨石集積場浸出水の水質は極めて清澄で,廃水処理無く,濁水対応の沈でん池だけでした。鉱山第779号2019年10月-17-