ブックタイトル鉱山2019年10月号

ページ
22/48

このページは 鉱山2019年10月号 の電子ブックに掲載されている22ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2019年10月号

い太盛地区とその東側を分けるためにプラグを打ち分断しました。現在,太盛地区の坑内水は排水基準を満たしているため,円山疎水坑道で沈殿池に導水し,未処理で河川放流しています。一方金香瀬地区以東は,1番坑道まで坑内水位を上げ,空気に触れさせないようにし,水質改善を図ったため坑内水は中性で金属の含有が少なくなっています。坑廃水処理は,1金香瀬坑廃水処理場(消石灰中和沈でん処理),2総合坑廃水処理場(消石灰中和沈でん処理),3円山疎水坑(自然沈でん処理)があり,西側にある太盛地区の坑水は自然流下で円山疎水坑,円山坑水沈殿池の自然沈でん処理で円山川へ放流し日本海へ,東の金香瀬地区の坑水は,ポンプ揚水して金香瀬坑廃水処理場で消石灰中和沈でん処理後,市川を通じて瀬戸内海へ放流されています。金香瀬坑廃水処理場のでん物は,総合坑廃水処理場のでん物と共に宮の谷集積場へ送泥しています。集積場は,1宮の谷集積場(現在使用中),2大仙谷集積場(昭和16年使用終了),3久宝谷集積場(昭和12年使用終了)の3つを保有し,現在使用中の宮の谷集積場は,坑廃水処理場のでん物を今後数百年受入れできる能力を残存しています。【総合坑廃水処理場】生野事業所の敷地内にあります。堆積終了した大仙谷集積場,久宝谷集積場の浸透水,金香瀬坑廃水処理場のでん物,錫製錬で発生した排水等を受入れ処理し,市川へ放流しています。処理は,消石灰を使用して中和シックナーで沈降分離後に,逆中和としています。シックナーは直径30mが2台ありました。近年大掛かりな補修を施したとのことでした。でん物は大型のポンプで宮の谷集積場へ流送しているそうですが,将来的に脱水処理し,トラック輸送に切り替えたいとのことでした。薬剤添加設備で,チェック表が樹脂磁石を利用したもので,分かりやすく管理されており,参考になると感じました。30mシックナーチェック表【金香瀬坑廃水処理場】生野事業所から,西北西へ1.8km移動したところに位置しています。プラグより東側の金香瀬坑道,青草坑道の坑内水を処理しています。1番坑道で水位を管理し,ポンプ揚水で処理場へ受入れています。処理量は平均して2,400m 3 /日。処理は消石灰ミルクでpHを上げ,凝集沈降剤を添加して沈でん池(7つ)で固液分離していました。処理水は硫酸逆中和でpH調整し市川へ河川放流されています。でん物は水中ポンプで総合坑廃水処理場へ送り,他の坑廃水と合わせて処理されています。3.神子畑(みこばた)選鉱場跡(9月6日)神子畑選鉱場は,明治に生野地区の3鉱山(生野,神子畑,明延(あけのべ))が払い下げられ鉱山第779号2019年10月-15-