ブックタイトル鉱山2019年10月号
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鉱山2019年10月号
第23回環境・安全担当者会議協会長挨拶日本鉱業協会会長小野直樹日本鉱業協会長の小野でございます。第23回「環境・安全担当者会議」の開催にあたり,一言ご挨拶申し上げます。はじめに,本日こうして全国各地からお集まりいただきました皆様を,心から歓迎致します。また皆様が日頃から,各事業所におかれまして環境保全,安全衛生管理にご尽力されておられますことに,深く敬意を表したいと思います。この会議は「環境担当者会議」として1979年より開催されており,2006年からは,安全も加えた「環境・安全担当者会議」と改称し,隔年ごとに開催しております。本日は,経産省産業保安グループ鉱山・火薬類監理官の大橋良輔様のご臨席を賜り,更に約160名という多数の皆様にご参加いただいております。この後,早稲田大学理工学術院教授所千晴様に「我が国における坑廃水処理の現状と展望」と題してご講演をお願いしております。これに続きまして,東京工業大学環境・社会理工学院特任教授中村昌允様から,「岐路にきた日本の安全管理~どこまで安全を求めるか~」と題し,ご講演いただきます。ご多忙中講演を引き受けて下さいましたお二方には厚く御礼申し上げます。また,本日はこの他に,参加各社による7件の一般講演と,明日以降3班に分かれての見学会が予定されております。さて,環境の保全と安全の確保はあらゆる経営課題に優先する,全ての企業経営の基盤であります。世界的にCSRの考え方が浸透してきている現在,世界標準との整合を意識した着実な取組みがより一層必要となっております。このような状況のもと,当協会が取り組んでおります環境と安全の活動について,いくつかご紹介したいと思います。まず環境関係では,水銀,カドミウム,亜鉛,ホウ素などの重金属を含む化学物質の排出に関する規制への対応が挙げられます。特に水銀は,一昨年8月に「水銀に関する水俣条約」が発効され,将来,日本で過剰になった場合の水銀の取り扱いについて,経済産業省を通じて環境省と検討を続けております。当業界は,環境汚染にかかわる不幸で辛い歴史を経験しております。しかし,その反省をもとに,各社は環境保全のために,これまで懸命に努力を重ねて参りました。その結果,今日では環境対策に関しては,世界でもトップクラスの技術とノウハウを有していると自負しております。当業界と致しましては,こうした実績をベースとしながら,世界的な排出規制の方向性に即した,適正かつ-12-鉱山第779号2019年10月