ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

た。2018年末の世界の報告在庫は前年末比10.6%減の1,235千t,在庫/消費比率は3.1週間から2.7週間に低下した。(表8参照)形態別には,取引所在庫が35.4%減の351千t,国別在庫が5.2%増の884千tとなった。取引所在庫の中で,LME在庫は年初の201千tから1月末に300千t台に乗せ,6月末までは300千t台,10月には200千t台を割り込み,年末にかけて130千t水準まで減少した。表9銅鉱山製錬所の供給障害及び減産例(2018年~2019年3月)国名会社名鉱山・製錬所名内容カナダインペリアメタルズマウントポリー鉱山2017年12月31日に労働協約が期限切れとなり,労組は2018年5月23日スト入りしたが,8月1日,新協約案を批准しストを終了。2019年1月1日,銅価格低迷のため閉鎖。選鉱操業は3月末に停止。米国アサルコシルバーベル,ミッション,レイ銅鉱2018年12月12日,全米鉄鋼労組傘下の労組がスト権を確立。旧労働協約は11月30日に期限が切れたが更改交渉山,ヘイデン銅溶錬工場,アマリリョは合意されず。連邦控訴裁判所は8月,アサルコに銅価格連動ボーナスの市は依頼を命じた下級審を支持。銅精製工場/ロッドミル工場ペルーMMGラスバンバス鉱山2019年2月中旬から輸送道路を地元住民に封鎖され,3月23日,銅精鉱出荷に不可抗力条項を発動。住民は同鉱山開発に際して2011年に結んだ住居と農用地の移転に関する協定に基づき地役権の補償を要求。4月13日,和解し,出荷を再開。チリエナミ(チリ鉱業公社)パイポテ銅選鉱場,製錬所2017年12月12日,労働協約更改交渉決裂に伴う労組のストライキのため操業を停止。2018年1月6日,労組は新労働協約案を批准し,ストライキは収拾した。BHPほかエスコンディーダ鉱山2018年3月24日,労組は経営側からの労働協約更改交渉の繰り上げ実施提案を受け入れた。前年は交渉が決裂し,労組は2月9日から44日間ストを実施し,その後,労働法に規定される既存協約を8ヵ月間延長できる条項を用いてストを中止した。6月1日,交渉が再開されたが,労組は新協約案を拒否し,8月2日,スト権を確立した。その後,チリ政府の仲裁調停を経て,17日,労使は新協約に調印した。コデルコチュキカマタ鉱山2018年7月30日,労組が不当解雇や坑内採掘への移行に伴うレイオフ計画に抗議してストを実施。12月12日にも職場放棄し,鉱山アクセス道路を封鎖したが,翌日,強制排除された。同鉱山は2019年半ばまでに坑内採掘に移行する計画で,労組は1.7千人が失業すると主張。チュキカマタ/ポトレリリョス製錬所チリ政府は2018年12月13日,製錬所の二酸化硫黄及び砒素の排出量を受雷の90%から95%に引き上げる政令28号を施行。コデルコではチュキカマタ及びポトレリリョス製錬所が該当した。チュキカマタは10億ト゛ルの投資で自溶炉,テニエンテ転炉,硫酸プラント,精鉱乾燥設備,排ガス処理プラントを更新することになった。製錬所の閉鎖期間はチュキカマタが2019年2月末,ポトレリリョスは1月末,操業停止による生産への影響はないとされた。ところが,チュキカマタは工事を請け負ったSNCラバリンの経営危機のため工期が大幅に遅延し,全設備の正常操業復帰は2019年第3四半期にずれ込む見通し。アンディナ鉱山2018年8月20日,労働協約更改交渉が決裂し,労組がストを開始。9月28日,新協約に合意し,労組は29日に職場復帰した。2019年2月8日,チリ北部が40年ぶりの豪雨に見舞われ,死傷者が出たほか,電力や水の供給が停止され,道路や家屋が破壊された。ピニェラ大統領は8-9日に非常災害宣言し,軍隊に出動を命じた。コデルコのチュキカマタ,ミニストロアレス鉱山が一時的に操業を中断したが,その他の鉱山は比較的正常操業を継続した。スペインファーストクォンタムミネラルズラスクルス鉱山2019年1月23日,オープンピットの地滑りが発生し,鉱山,SXEW操業を停止した。2月1日,選鉱操業を再開,鉱山も部分操業が許可された。コンゴ民主共和国ユーラシアリソーシズグループボス鉱山2019年2月末に操業を停止。新鉱業税の導入,酸化鉱体採掘から硫化鉱体開発への移行が背景。ザンビアチャンビシメタルズチャンビシ精製工場2019年2月14日,生産停止を決定。ザンビア政府がコバルト及び銅精鉱の輸入に5%の関税を導入したことによる。ボツワナクアドルアークモワナ鉱山2018年12月11日,運転資金不足のため操業を停止。モンゴルターコイズヒルリソーシズオユトルゴイ銅鉱山2018年1月17日,中国に通じる輸送道路が中国国内で石炭運送トラックにより封鎖されたため精鉱出荷に不可抗力条項を発動。3月1日解除。中国の石炭トラック運送業者はモンゴル政府が石炭の中国への持ち込みを許可する条件として税金と社会保険料の支払いを求めたことに抗議して道路封鎖した。インドスターライトカパーツーチコリン銅製錬所2018年3月27日,ツーチコリン銅製錬所の定修を前倒しで実施し,15日間閉鎖すると発表した。4月10日,操業許可の更新申請が州環境規制委員会(TNPCB)に却下された。さらに,許可なく操業再開を準備していることが発覚したことから,地元住民の暴動が発生し死傷者が出た。これを受け,地元政府5月24日,同製錬所の永久閉鎖を要求,28日,州政府もTNPCBの永久閉鎖命令を支持した。12月16日,環境裁判所は閉鎖命令を無効とし,再開を許可する判決を下した。しかし,2019年2月18日,インド最高裁は環境裁判所に再開決定を下す権限はないとして,同社に高裁での控訴審の再開を命じた。フィリピングレンコアパサール製錬所2018年1月初め,硫酸プラントの漏出事故のため操業停止。2月12日,操業再開。インドネシアPTスメルティンググレシック製錬所2018年11月末まで定修閉鎖を予定していたが,隣接する酸素工場の閉鎖期間の延長に伴い再開時期を1ヵ月間延長し,11月28日,銅精鉱の受け入れに不可抗力条項を発動。12月末に部分再開,2019年1月末までにフル操業を回復。中国金川集団金川製錬所2018年2月14日,精製銅生産を電力変圧器の故障のため中断したことが明らかになった。精製工程が故障の影響を受け200千t分の生産が停止された。豫光金鉛済源製錬所2018年5月28日,酸素プラントの故障のため操業を停止。操業停止期間中は粗銅,アノードを外部調達した。中国政府は2018年5月末から1ヵ月の予定で10省に環境査察チームを派遣。査察期間中,複数の中小製錬所が操業を停止。査察対象は銅,アノード,電線裁断くずで,乾式製錬工程での硫黄酸化物(SOX),電線裁断工程でのシュレッダーダストの排出が規制された。パプアニューギニアパプアニューギニア政府オクテディ銅鉱山2018年2月26日,マグニチュード7.5の地震が発生し輸送道路が寸断され,輸送パイプラインも被害を受けたため精鉱出荷に影響が出た。鉱山操業も一時停止。豪州BHPビリトンオリンピックダム銅製錬所2017年7月19日,総額350百万ト゛ルの近代化投資計画を発表。電気スラグ炉,自溶炉,電気集塵装置,精製設備が改修された。2018年2月9日,工事完了。これに伴い,溶錬工程が8-11月間操業停止,鉱山も減産した。8月21日,硫酸プラントの故障で操業停止,10月に再開。ニュークレストマイニングキャディアヒル鉱山2018年3月9日,テイリングダムが崩壊し,操業を全面停止。30日に操業再開。鉱山第778号2019年8・9月-84-