ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

アフリカでは,コンゴ民主共和国が前年,コルウェジ鉱山の精鉱生産を開始し11.9%増の1,226千tへと急増した。ザンビアは2017年のカタンガマイニングとモパニカパーの減産解除,2018年のチャンビシ鉱山の能力増強により6.0%増の998千tと1百万t台に迫った。オセアニアでは,オーストラリアが前年,オリンピックダム鉱山の製錬所の大型定修に伴い減産となったため落ち込んだが,2018年はウーンド,ロックランズ鉱山の新規稼働も相まって7.0%増の920千tへと回復した。パプアニューギニアは2.8%増の108千t。(2)銅地金生産2018年の世界の銅地金生産は前年比1.5%増の23,738千tと4年連続でほぼ横ばい推移となった。(表5参照)製法別内訳は乾式製錬による粗銅生産が3.2%増の17,803千t,SXEW銅生産が6.5%減の3,817千tであった(表4,6参照)。国際銅研究会によれば,原料生産内訳は一次生産が2.9%増加,二次生産は横ばいであった。2018年の世界の地金生産能力は1.2%増の27,710千t,稼働率は86.0%から87.0%へとほぼ横ばいであった。地域別には,アメリカが1.4%,オセアニアが5.6%,アフリカが16.4%増加,アジアが横ばい,ヨーロッパが1.3%減少した。アメリカ大陸では,チリが1.3%増の2,461千t,製法別では粗銅生産が3.6%減少,SXEW生産が横ばいであった。チュキカマタ,ポトレリリョス製錬所が大気排出規制強化に対応すべく12月半ばから設備改修工事のため閉鎖された。米国は3.0%増の1,111千t,前年ガーフィールド製錬所が操業トラブルに見舞われた反動で増加に転じた。メキシコは2.4%減の414千t,ペルーは337千tで横ばい,カナダは1.1%増の336千tであった。アジアでは,中国が8,950千tとほぼ横ばいにとどまった。2017年は山東恒邦製錬所が新規暦ヨーロッパ表5銅地金生産(単位:1000t,%)年2014年2015年2016年2017年2018年構成比18/173,709.83,721.43,664.93,825.73,775.515.9▲1.3オ-ストリア83.2102.9103.2109.8107.20.5▲2.4ベルギー386.5378.6366.4403.4389.41.6▲3.5ブルガリア234.0230.0216.0229.0224.00.9▲2.2フィンランド140.6138.9138.7146.7157.10.77.1ドイツ672.8678.2671.5694.9670.02.8▲3.6イタリア7.97.36.68.78.7マケドニア1.52.31.41.00.8▲20.0ノルウェー35.935.528.122.720.20.1▲11.0ポーランド576.9574.4535.7522.0501.92.1▲3.9ロシア894.0876.2867.3948.6948.64.0セルビア31.246.562.369.267.20.3▲2.9スペイン428.0426.1433.3419.5428.81.82.2スウェーデン217.3206.1207.2219.5224.50.92.3ウクライナ18.527.130.627.10.1▲11.4アフリカ1,309.11,343.51,170.01,201.61,398.25.916.4コンゴDRC742.0792.8707.2698.9821.13.517.5エジプト4.04.04.04.04.00.3南アフリカ57.764.453.966.243.90.2▲33.7ザンビア499.4482.3404.9432.5529.22.222.4ジンバブウェ6.0アジア11,774.312,155.912,722.613,224.513,333.356.20.8中国7,649.17,963.68,436.38,889.58,949.537.70.7キプロス3.12.11.71.31.0▲24.2インド764.5791.9768.2844.9555.22.3▲34.3インドネシア245.0199.6253.5270.9274.61.21.4イラン195.0184.5159.7137.9208.60.951.3日本1,554.21,483.11,553.01,488.11,594.56.77.2カザフスタン297.5396.6412.8429.1442.61.93.1ラオス88.589.378.562.966.30.35.3モンゴル2.115.015.214.614.20.1▲2.8ミャンマー22.539.360.978.1123.60.558.3北朝鮮15.015.015.015.015.00.1オマーン21.026.511.320.421.80.16.9フィリピン130.0150.0185.0207.7286.81.238.1韓国603.8603.6607.2552.4568.72.42.9トルコ71.084.052.495.095.00.4ウズベキスタン99.6100.8100.8100.8100.80.4ベトナム他12.511.011.015.815.10.1▲4.4アメリカ5,149.65,328.35,195.14,759.34,823.720.31.4アルゼンチン13.014.014.014.114.40.12.1ボリビア1.81.82.22.23.351.5ブラジル240.3353.8225.6143.0147.10.62.9カナダ325.4330.9314.3332.3336.01.41.1チリ2,729.42,688.32,612.52,429.62,461.210.41.3メキシコ397.7445.8473.8423.8413.81.7▲2.4ペルー347.4353.1331.3335.3336.81.40.4米国1,094.61,140.51,221.31,078.91,111.14.73.0オセアニア511.3475.0475.0386.0407.61.75.6オーストラリア511.3475.0475.0386.0407.61.75.6世界合計22,454.023,024.023,227.423,397.123,738.3100.01.5西側世界計12,685.812,825.412,437.112,205.112,502.652.72.4東側世界計9,768.110,198.610,790.311,192.011,235.747.30.4(出典)World Metal Statistics 2019.7稼働,烟台国潤,杭州富春江,河南霊宝製錬所などが増強され,2018年は寧徳,青海製錬所が新規稼働したが,中国政府の環境規制強化政策により多数の中小製錬所が閉鎖された。日本は前年,大型定修が行われた東予,佐賀関製錬所の生産効率の改善により7.2%増の1,595千t,2007年を抜いて史上最高となった。インドはツーチコリン製錬所が環境汚染問題で閉鎖されたため34.3%減の552千tにとどまった。韓国は2.9%増の569千t,カザフスタンはアクトガイ鉱山の精鉱生産の開始により3.1%増の443千t-81-鉱山第778号2019年8・9月