ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

なった。その新会社は,1.8百万トロイオンス(56t)を超える金の埋蔵量を加え,現在の銀と金の埋蔵量を倍増させた。銀の埋蔵量は概ね264百万トロイオンス(8,211t)となり,同社は米州での存在感を確固たるものにした。パン・アメリカンにとって近い将来行わなければならないのは,エスコバル鉱山の鉱業権再取得である。2017年にグアテマラの高等裁判所によって同鉱山の鉱業権が取り消された後,現在,地元の地域社会等と再開に向けて協議を進めている。チリで,ラ・コロラダ鉱山の拡張とナビダット鉱山としていくつかのプロジェクトの進展があれば,同社は年間45.0百万トロイオンス(1,400t)の銀を生産することになろう。ここまでは,2018年の話が主だが,2019年でも動きがあったので,少し言及することにしたい。2019年3月5日,グレイト・パンサー・マイニングはベデル・リソーシズ・リミテッドの買収を発表し,その名称をグレイト・パンサー・マイニング・リミテッドに変更した。今回の買収により,米州での同社の存在感が強化され,同社は独自の多金属ポートフォリオをさらに拡大することが可能となった。銀の供給面に目を向けると,サンドストームはヤマナ・ゴールドと2018年の間,セロ・モロ鉱山の最大20%の生産を含む,いくつかのヤマナの操業鉱山から銀中間製品を受け取ることで合意した。一方,フランコ・ネバダは2018年に銀の供給を10%削減したが,カンデラリアとセロ・モロ両鉱山の生産で前年比2%増が見込めることから,2019年では回復すると予測している。世界最大級の銀供給企業であるウィートン・プレシャス・メタルズは,銀以外でも金とパラジウム事業で今後も成長を続けると予想されている。同社は2018年に24.4百万トロイオンス(759t)の銀を産出した。ただ,2019年ではサロボとペナスキート両鉱山での増産を見込んでいるが,サン・ディメス鉱山の銀購入契約の期限切れによる減産によって増産分が相殺される。-69-鉱山第778号2019年8・9月