ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

様な金融商品を指す)保有への追加または減額からなる識別可能な投資は,2018年に前年比5%増加して161.0百万トロイオンス(5,007t)となった。金額ベースでは,識別可能な投資は約25億米ドルだった。2017年に急落したコイン需要は,引き続き2018年でも前年比4%減少した。それはオセアニアと北米の大幅な減少により低下した。一方,地金の需要は昨年比53%増加し,2016年以来の高水準となった。インドが増加の大部分を占めたが,ETP保有量は20.3百万トロイオンス(631t)減少して,649.5百万トロイオンス(20,202t)となった。9.コインとメダルコインとメダルの需要量は前年比4%減の82.6百万トロイオンス(2,569t)と3年連続で減少した。とくに北米では,減少傾向が続いている。同地域の貨幣及びその他のコインの売上は大幅に増加したものの,小売りの購買環境が良くないこともあって苦戦が続いている。Ⅵ.2018年における世界の産銀企業活動2018年では,とくに米州にとって,銀価格の下落が,有望な鉱床や未開発の鉱山の買収に通じる,大規模鉱山会社の統合に向けての重要事項だった。2018年3月19日,へクラ・マイニングはカナダに本拠を置くクロノデックス・マインズの買収を発表した。買収額は4億6,200万米ドルで,7月上旬に株主から買収を進めてもよいという許可を得,その後月末に決着した。同社は2018年に10.4百万トロイオンス(324t)の銀と262,000トロイオンス(8t)の金を生産した。いずれも高品位の金銀鉱山であるファイアー・クリーク,ミデス,ホリスターが今後組み込まれると,銀と金の生産量が大幅に増加する可能性がある。この買収により,同社は,将来性が高く収益性の高いネバダ州において積極的な探査プログラムを開始する予定である。2018年5月10日,ファースト・マジェステック・シルバー・コーポレーションは,メキシコのサン・ディメス銀金鉱山を所有するプリメロ・マイニング・コーポレーションを買収した。買収金額は3億2,000万米ドルで,4,120万トロイオンスが同社の銀埋蔵量に追加された。この買収により,ファースト・マジェステックは2018年に銀換算で24.7~27.5百万トロイオンス(768~855t)の生産をすることになると見込んでいる。そのうちの48%は新しく組み入れられたサン・ディメス鉱山であった。クエール・マイニングもM&A(合併と買収)が活発だったが,前2社とはすこし違った様相を呈した。2017年にシルバーティップ鉱山を運営するJDSシルバー・ホールディングスを買収した。その銀鉛亜鉛の操業は2018年9月4日に商業生産に達し,2019年に1.9百万トロイオンス(59t)を上回る銀を生産すると予想された。2018年に目を向けると,クエールは,サン・バルトロメ鉱山とその処理施設を運営していたボリビアの子会社を,スウェーデンの民間企業であるアルゼンタム・インベストメンツに売却した。8月では,クエールはネバダ州でのスターリング・ゴールド・プロジェクトを所有するノーザン・エンパイアー・リソーシズの買収(9,000万米ドルの取引)を発表した。最後は,10月にアリオ・ゴールドからロチェスター鉱山近くにある3つの非常に有望な鉱床を獲得したことを発表した。同社は2019年の生産を12.2~14.7百万トロイオンス(379~457t)と予測した。また,同社は今後数年間,年間生産量を増やし続けると予想された。パン・アメリカン・シルバー・コーポレーションとタホエ・リソーシズ・インコーポレーテッドは,2018年11月14日に,世界最大級の銀鉱石産出会社を設立する契約を行った旨,発表した。数ヵ月にわたる交渉の末,2019年1月8日にパン・アメリカンの株主の98%以上がこの世界最大級の銀鉱石会社設立を承認した。この会社は10億米ドル以上の資産価値を持つことに鉱山第778号2019年8・9月-68-