ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

Ⅴ.2018年の世界の需要(表2,3,6参照)1.まとめ? 2018年の総需要は前年より4%増加して1,033.5百万トロイオンス(32,146t)となり,これは小売投資(地金とコイン)の回復と宝飾品や銀器からのさらなる需要増によるもの。これらの需要部門の控えめな増加は,工業用途で使用される銀需要のわずかな収縮を相殺した。? 2018年の宝飾品の需要は,前年比ほぼ4%増の212.5百万トロイオンス(6,611t)で,インドと北米が需要増の大部分を占め,東アジアとヨーロッパでの減少を相殺した。?工業用需要は2018年に578.6百万トロイオンス(17,997t)へ減少し,前年から1%減少した。太陽光発電部門(PV)からの銀需要の減少が,この減少の大部分を占め,エレクトロニクスと電気,並びに銀ろうとはんだの年間増加量を相殺した。写真からの銀需要は後退し続け,エチレンオキシド(EO)からのそれも減少した。?コインと地金の投資は,主に地金需要の増加により,2018年に回復した。2.総需要総需要は2018年に前年比4%増加し,推定1,033.5Moz(32,146t)となり,2016年からの3年間で最高となった。小売投資(地金やコイン)からの力強い回復に加えて,宝飾品や銀器からのさらなる需要増が,工業用途におけるわずかな収縮を相殺した。工業用需要の前年比1%の減少は,主として太陽光発電(PV)に使用される銀需要の影響であり,この落ち込みは電気及びエレクトロニクス,並びに銀ろう及びはんだにおけるわずかな増加を相殺した。3.工業用需要量2018年の世界の工業用需要量は578.6百万トロイオンス(17,997t)で,前年比1%減となった。太陽光発電部門からの銀需要の減少は,マーケットが太陽電池モジュール内の銀使用量の減少を図ったため,それが需要減の大きな要因となった。さらには,この分野の低い数字が他の需要分野での堅調な伸びを覆い隠してしまった。銀ろう及びはんだは3年ぶりの高水準となり,電気及びエレクトロニクスからの需要も2年連続で増加した。写真からの需要量は引き続き減少し,この分野で最大の落ち込みを見せているエチレンオキシド(EO)からの需要も,2017年からその需要量が以前の5分の1へ減少した。4.写真用需要量2018年の写真用の銀需要は前年比4%減の39.3百万トロイオンス(1,222t)となった。この長期にわたる減少により,この部門からの需要は急激に落ち込み,現在では総需要のたった4%に過ぎない。需要は今や概ね安定しており,現在の需要量はほぼ維持できそうであり,最悪の場合でも僅かな減少に留まると予測される。実際,ルネッサンスや将来的に需要増をもたらす可能性がある工業用セグメントがいくつか存在している。5.太陽光発電(PV)部門からの需要量太陽光発電(PV)部門からの需要量は2018年に減退し,前年比9%減の80.5百万トロイオンス(2,504t)となった。この市場は引き続き拡大しているが(2018年の世界の太陽光発電の設置数は過去最高を記録した),この分野で使用されている銀は,継続的な銀使用原単位の低下により減少した。中国は2018年に再び新規施設を設置したが,2018年5月の立法の変更が同国内の需要に深刻な影響を及ぼした。6.宝飾品の需要量宝飾品の需要量は2年連続で増加し,前年比4%増の212.5百万トロイオンス(6,609t)と推定された。インドは2018年も好調で,最終四半期の需要が急増した。年間消費量は,前年比16%増加し,過去最高となった。その他の地域では濃淡があり,米国での需要量は年々増加しているが(2018年では拡大のペースは鈍化したが),ヨーロッパの需要は前年比3%減となった。東ア鉱山第778号2019年8・9月-66-