ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

銀【海外】I.価格1.概況―2018年も銀価格浮上せず(図1,2,表1参照)あえて繰り返しを厭わなければ,2018年の銀の海外現物価格(ここでは米国ハンディ・ハーマン社発表の現物価格をいう)は,前年,前々年同様,静かな相場展開ながらも,全く面白みに欠ける一年であった。年間を通した基調は下げだが,ドル高や世界的な需要の落ち込みで,浮上する姿勢はほとんど見ることはできなかった。きつい言い方だが,見せる姿勢さえ感じられなかったと言っても良い。総括すれば,銀現物価格は2018年に平均$15.71387/トロイオンス(=toz,米ドル建て銀価格はすべてトロイオンス当たりの価格,1トロイオンスは約31g(グラム),以下同じ)となり,前年比7.9%下落した。2018年の価格は$3.50のレンジで取引され,最高値$17.565(1月25日),最安値$14.065(11月12日)となった。2018年の銀価格に影響を与えた要因は数多あったが,米中の貿易紛争以上に影響を与えるものはなかった。それはドルに力をもたらしただけではなく,銀を含む金属価格を引き下げた。残念ながら,その影響は少なからず,現時点の2019年半ばまで継続中である。2.四半期毎の動き2017年は金属価格が好調だった年で,ドル指数は同年10%も下落した。銀と他の金属のその強い価格の勢いは2018年の第1四半期に持ち越された。興味深いことに,米株式が1月に新しい最高値に達した後,2月の最初の週では後退局面入りした。ところが,その時,金は安全資産として反応しなかった。反対に,市場が流動性を求めて金は売られてしまった。銀は,その工業的立場から,米株式市場の修正に反応し,$17水準を下回ったところで推移,4月まで再び回復することはなかった。2月の第2週の間に,金融市場は安定し始めた。2月に,新しく任命された米国連邦準備理事会(FRB)議長のジェローム・150,000130,000110,00090,00070,00050,00030,00010,000¢/toz3,6003,5003,4003,3003,2003,1003,0002,9002,8002,7002,6002,5002,4002,3002,2002,1002,0001,9001,8001,7001,6001,5001,4001,3001,2001,1001,000900800700600500400300日本山元建値(左目盛)ハンディ・ハーマン社建値(右目盛)図1銀価格推移(年平均)鉱山第778号2019年8・9月-58-