ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

は年間を通じてさらに4回の利上げを行い,その結果米ドルは4%上昇した。これらの状況は金にとって否定的に作用したことはもちろん,さらに米ドル高が新興市場の通貨をひどい目に遭わせ,投資家のリスクオフ資産への欲求を一掃してしまった。加えて,このテーマが一段と誇張され,保護主義のイデオロギーの浸透が,いくつかの新興市場諸国(例えばトルコのように,不況に陥っている国々)に米国から制裁を実行することをもたらした。米国と中国との貿易紛争の拡大(及び未解決)に対する世界的な懸念は,世界的に輸出を減少させた。だが,2018年末までには,ヨーロッパと南米に広がる内政の混乱と相まって世界経済の低調な見通しが,米ドルへの依存を減らすため,中央銀行(とくに新興市場の中央銀行)と一緒に,多くの投資家などの人々に多様化の手段として金を保有したいという願望を後押しするに至った。3.2018年の世界の供給(図4,表2,3参照)?インドネシアと米国での大幅な増産に支えられて,2018年の鉱石生産は前年比2%増の3,332tとなった。?総キャッシュ・コストは前年比5%増の$696/トロイオンス,全経費は同4%増の$897/トロイオンスとなった。?価格の低迷によりリサイクルが制限されたため,2018年の世界的なスクラップ供給量は前年比3%減の1,178tとなり,この3年間で最低の水準となった。2018年の世界の鉱石生産は,インドネシアのグラスベルグ鉱山での品位と生産量の増加,カナダのレイニー・リバーとブルースジャックの両鉱山での通年フル操業により,前年比2%増の3,332tとなった。大幅な生産量の増加も,操業の集中的拡大後,マリのフェコラ鉱山及びコンゴ民主共和国のキバリ鉱山で確認された。一方,ベラデロ鉱山とペナースクイト鉱山では低品位,ラグナス・ノルテ鉱山では処理量低下により,両鉱山で合計16tの減となった。また,図4の通り,最大の金生産国であり続ける中国は鉱業環境への影響を減らすための努力により2018年に生産をさらに6%低下させた。その他地域別では,北米の金鉱石生産は2017年比で7%または35t増加したのに対し,アフリカの生産は同比で11%または17t減少し,2012年以来最大の減少を記録した。2018年の金鉱業のコストは,総キャッシュ・コストではベースで前年比5%増加して$696/トロイオンスとなった。一方,全経費(オール・イン・サステイニング・コスト,AISC)は,前3.74.34.54.75.05.55.76.77.67.16.86.76.67.58.18.17.28.39.510.611.812.314.59.49.18.98.78.68.78.38.49.59.415.116.015.817.318.319.320.920.822.825.627.027.427.88.79.09.38.48.710.110.210.410.75.85.45.15.04.84.33.73.83.73.69.79.910.210.311.412.613.613.114.28.48.37.87.77.87.67.57.17.07.63.9 7.64.0 6.74.14.75.110.810.110.811.314.313.913.914.314.514.713.712.013.113.914.115.014.114.312.912.712.211.811.16.96.85.35.85.911.512.012.47.36.96.96.25.96.16.412.211.111.25.74.75.45.55.09.99.08.710.810.910.95.04.55.86.67.75.95.36.86.96.64.75.05.25.55.46.16.45.57.54.66.57.36.96.65.36.35.84.96.45.43.65.56.44.0 3.05.66.73.9 2.76.26.53.26.46.95.4 2.46.77.25.27.26.85.08.111.74.80% 10% 20% 30% 40% 50% 60% 70% 80% 90% 100%8.07.76.66.77.67.97.28.64.66.26.08.57.26.86.25.15.14.942.743.042.442.141.841.241.140.038.536.235.633.834.131.831.930.229.929.429.028.727.826.727.327.226.125.125.121.2南アフリカ米国豪州カナダロシア中国インドネシアペルーその他図4世界の金生産シェア鉱山第778号2019年8・9月-44-