ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

はイタリアの財政不安や英国の欧州連合(EU)離脱交渉を巡る先行き不透明感から?1=129円水準へ切り上げた。11月は1日に$1=113.79円と円が反発してスタートしたが,5日には,2日発表の米雇用統計を材料に,米連邦準備理事会(FRB)による利上げ継続が改めて意識され,それにより日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが出て下落した。6日の米中間選挙の結果から一時的に円買い・ドル売りが優勢だったが,その影響は限定的だった。8日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でFRBが金融政策の現状維持を決め,追加利上げを見送ったものの,12月の次回会合で追加利上げに踏み切る可能性を示唆したことでドルが買われ,9日には$1=115.03円とほぼ1ヵ月ぶりの円安・ドル高水準となった。その後中旬では,強弱材料が行き交うなかで円がやや戻し,$1=114円台の小動きとなった。下旬入り直後,日米の株価下落や日米の金利差縮小が意識され,$1=113円水準へ円が上昇するも,長くは続かなかった。連休明けの26日以降では,26日の米株高に続いて27日の日経平均株価も上昇したことで投資家心理が改善,「低リスク通貨」の円を売ってドルを買う動きが強まり,再び中旬と同水準の$1=114円台での展開となった。28日以降は,月末に開催見込みの米中首脳会談で両国の貿易交渉が進展するとの期待感の高まりから,円が売られる場面もあったが,28日のパウエルFRB議長の発言を切っ掛けにした米利上げ打ち止め観測から再び円が買われたことで,ほぼ横ばいで推移,30日には$1=114.47円をつけて越月した。11月では,円は対ユーロで?1=130円水準を挟んだ小動きに終始した。対英ポンドでは,英国の欧州連合(EU)離脱交渉の進捗状況を巡って,乱高下した。12月は3日に$1=114.64円と安値圏でスタートしたが,日米株価の急落により10日には$1=113.52円まで円が上昇した。ところが,11日以降は反対に日米株価の回復により,$1=114円水準まで円は売られた。18日以降から下旬にかけては,欧米でのクリスマス休暇が控えていたにもかかわらず,世界経済の減速観測や米株安を受け,再びリスク回避通貨の円が買われ,21日に$1=112.35円をつけると,25日には$1=111.07円と本年8月以来4ヵ月ぶりの円高・ドル安水準となった。26日も$1=111円水準をつけたが,27日には日米株価の大幅上昇から$1=112円水準とドルが戻し,翌28日には$1=112.00円丁度となり,これが越年相場となった。12月では,円は対ユーロでほぼ対ドルと同じ値動きを示した。上旬から中旬にかけては?1=130円水準前後で推移したが,下旬にかけては?1=126円水準まで急伸した。(5)2019(平成31)年1~3月2019年1月は4日に$1=108.66円と円高値でスタート,月末で円が上昇するも,同水準を上回ることがなく,それが月間最高値となるとともに,2018年4月以来9ヵ月ぶりの円高・ドル安水準になった。年初にかけては,世界経済の減速が懸念されるなか,米連邦政府の一時閉鎖など経済の先行きへの不透明感も増したことで,安全資産の円を買う動きが強まった。その後,中旬にかけては,市場予想を上回る米雇用統計の発表を受けて米景気の減速懸念が後退し,円売り・ドル買いが優勢になったことや米株高でドルが反発したことで,$1=109円水準の小動きが続いた。下旬以降は,主として米中貿易交渉が進展するとの期待感から,低リスクとされる円の売りが優勢となったことで,円が$1=110円水準へ下落した。ところが,月末では,30日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決め,追加利上げを見送ったことで,円が急反発,31日には$1=109.96円をつけて翌月入りした。1月の円の対ユーロの動きは,月初高,月末安となった。年初は高かったが,月末にかけて続落した。英国のEU離脱を巡る動きによって,月鉱山第778号2019年8・9月-40-