ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

った。その後,一旦はドルが持ち直すも,下旬入り直後は米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨公表を控え,様子見姿勢が広がっている中で円買い・ドル売りが優勢となり,21日には$1=110.90円と約2ヵ月ぶりの円高値をつけた。しかし,22日発表のFOMC議事要旨を受け,米連邦準備理事会(FRB)が9月の利上げに備えているとの見方が広がり,円売り・ドル買いを促したことで,23日から週末を挟んで月末まで円がやや弱含みで推移,一時反発する場面もみられたが,概ね$1=112円水準での展開となった。31日には$1=112.06円とやや円が上げて越月した。円は対ユーロでは,中旬にかけて,トルコと米国の外交摩擦で始まったトルコショックの余波にユーロ圏が見舞われ,ユーロがほとんどの外国通貨に対し下落したことで,円も?1=126円水準まで上昇した。しかし,月末ではユーロが戻し,月初とほぼ同じ?1=131円水準での展開となった。9月は3日に$1=111.99円でスタート,初旬は米長期金利が上昇し,日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが優勢だったことから円は小安く推移した。6日にトランプ米大統領が日本に対し対日貿易赤字の削減を強く迫る姿勢を示したことで,7日には円が一時的に反発したが,中旬では米国の利上げ継続が意識され,日米金利差拡大の思惑で円売り・ドル買いが出て円が続落,日本の連休を挟んで本年7月中旬以来の円安値である$1=113円水準まで下押しした。下旬でも,好調な米景気を背景にマネーがドルに向かったこともあって,さらに円安・ドル高が進展,日本の連休明け後の25日には$1=114.02円と本年1月初旬以来の円安・ドル高水準をつけた。このドル上昇要因には米景気以外にも,新興国経済への不安,日米の株高,米長期金利の上昇等があった。月末でも,同水準で推移,28日には$1=114.57円と25日の円安値をさらに下回って越月した。これは2017年12月以来9ヵ月ぶりの円安・ドル高水準となった。9月ではユーロ高が進行した。月初は?1=130円そこそこだったが,25日では?1=134.31円をつけ,本年4月以来5ヵ月ぶりの円安・ユーロ高となった。これは欧州中央銀行(ECB)総裁の発言で金融政策正常化期待が高まったためであった。(4)2018(平成30)年10~12月10月は1日に$1=114.92円と円安基調のなかスタート,米金利の先高観などを背景に市場参加者の円売り・ドル買いが続いたうえ,国内輸入企業の円売りや日経平均株価の上昇に連動した円売りも円相場を押し下げた。4日に$1=115.42円と2017年3月以来1年7ヵ月ぶりの円安・ドル高水準となった。ところが,9日以降,下旬にかけては,反対にやや円高基調になり,$1=113円水準を中心にした展開となった。8日の人民元や中国株式相場の急落で運用リスクを取りにくくなった投資家からの円買い・ドル売りが先行,その後も日経平均株価の大幅下落を背景にした円買いが続いたことが円上昇要因となった。ちなみに,10日に米株式市場が大幅安に見舞われたが,円相場への上昇圧力は限定的だった。中旬の16日には,ムニューシン米財務長官が通貨安誘導を封じる為替条項を日本にも求める考えを示したことなどを受けて日経平均株価が大幅に下落,その株安を背景に,運用リスクを回避する目的の円買い・ドル売りが優勢となったことで,$1=112.89円と約1ヵ月ぶりの高値を付けた。その後は,日米等の不安定な株価の動きに合わせた展開となったが,$1=113円水準から大きく離れることはなかった。29日には,米国株式相場の大幅下落から円が反発したが,すぐに米中の貿易摩擦が激しくなるとの懸念からドルが買われ,31日には$1=114.26円とほぼ月初水準並みとなって越月した。10月では対ユーロで円が上昇基調を辿った。上旬は?1=132~133円水準だったが,中旬では,日米等の株価下落で?1=130円水準へ,下旬で-39-鉱山第778号2019年8・9月