ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

の反応は乏しく,13日以降はむしろ米長期金利の上昇が材料視されたことで,日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが促される結果となった。15日には$1=111.68円をつけ,約1ヵ月ぶりの円安・ドル高水準となった。この間,欧州中央銀行(ECB)が14日に量的金融緩和の年内終了を決めたものの,利上げ開始には慎重な姿勢を示したことで,ユーロは対ドル,対円で売られた。一方,米連邦準備理事会(FRB)が2018年の利上げ回数の中心シナリオを計3回から4回に引き上げたことが市場で好感され,円売り・ドル買いが優勢となった。下旬入りすると,円相場の値動きが極めて小さくなった。米中貿易摩擦への警戒感を背景にした円買い・ドル売りが出る一方で,反対に米利上げの継続観測から日米金利差の拡大を見込んだ円売り・ドル買いも出る格好となった。しかしながら,週明けの25日以降は米国と主要国の貿易摩擦への警戒感の広がりから「低リスク通貨」とされる円が買われたことで,その膠着相場がやや崩れ,26日には$1=110.57円まで円が上昇したが,27日以降は,米国株の下げ止まりや米中貿易摩擦への過度な警戒感に対する緩和から再び円は続落し,29日には$1=111.54円をつけて越月した。円は対ユーロでは,中旬にかけてドル堅調に引きずられる形で?1=131円水準まで続落したが,上記の通りECBの利上げ開始への慎重な態度から一転して,月半ば以降円高基調を辿った。月末には?1=128円水準まで円が上伸した。(3)2018(平成30)年7~9月7月は2日に$1=111.87円でスタート,上旬では$1=111円を中心とした値動きだった。米株高や堅調な米経済指標を材料に円売り・ドル買いが出て,円はやや軟調気味に推移した。6日発表の6月の米雇用統計では平均時給の伸びが市場予想を下回り,米国の利上げペースが加速するとの観測が後退,日米金利差の縮小を見込んだ円買い・ドル売りが優勢だったが,円の上げ幅は限定的だった。中旬では,円相場は大幅に反落した。米中貿易摩擦の激化が世界経済に悪影響を及ぼすとの懸念から資源国や新興国の通貨に対してドル買いが進み,対円でもドル買いが強まった結果であった。円は$1=111円水準から$1=113円水準へ続落,18日には,米中貿易戦争への懸念に伴う円高・ドル安が思ったほど進まなかった一方,堅調な経済指標から米経済の先行きへの期待が改めて見直されたことで,機関投資家の円売り・ドル買いが進み,$1=114.01円と本年1月以来半年ぶりの円安・ドル高水準となった。ところが,19日にトランプ米大統領がドル高に不満を示したことで円高・ドル安が進展,週明けの23日には$1=111.96円まで円高が進み,月初の円高水準に近づいた。月末にかけても,その基調は崩れず,もみ合いながらも$1=111~112円での展開となった。31日には日銀が月末に開く金融政策決定会合で現行の金融緩和政策を修正するとの思惑が根強く,円を買ってドルを売る動きが優勢だったことで,やや円高基調の中,$1=112.01円で越月した。中旬の資源国や新興国の通貨に対してのドル買いに引きずられる形で,円は対ユーロでも?1=133円水準まで下げたが,月末では,反対に日銀が金融緩和政策を修正するとの思惑から,対ユーロでも?1=131円水準まで円が買われた。8月は1日に$1=112.84円でスタート,日銀が31日まで開いた金融政策決定会合で長期金利の誘導目標を従来のゼロ%程度に据え置いたことなどを受け,初旬は円安基調で始まった。ところが,その後上旬にかけては,米中貿易摩擦への警戒感から円買いがやや優勢となった。9日には日経平均株価の下落も加わり,リスク回避の円買いが進展,$1=111円水準をつけた。週明けの13日には,トルコリラ急落を受けて投資家が運用リスクを取りづらくなり,「低リスク通貨」とされる円には買いが入り,さらに日経平均株価が下げ幅を広げたのに歩調を合わせた円買い・ドル売りも入ったため,円が$1=111.56円へ上昇,約1ヵ月ぶりの円高・ドル安水準とな鉱山第778号2019年8・9月-38-