ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

ページ
45/278

このページは 鉱山2019年8・9月号 の電子ブックに掲載されている45ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2019年8・9月号

(2)2018(平成30)年4~6月4月は2日に$1=107.30円でスタート,翌3日に日米金利差の縮小を見込んだ円買いからやや上昇するも,4日からは国内輸入企業から円売り・ドル買いが散発的に出て下落,6日には$1=108.22円まで円が下押しした。約1ヵ月ぶりの円安値となった。9日から13日にかけては米中貿易戦争への懸念と緩和が繰り返されたことから,円相場はそれに合わせ$1=107円水準前後で一進一退となった。ただ,この間,シリア情勢への懸念が広がり一方的な展開とはならなかった。週末13日には,米英仏軍がシリアのアサド政権に対して攻撃したことが判明したが,週明けの16日では$1=108円前後で大きな変動は見せなかった。それよりも17~18日の日米首脳会談を控え,その結果を見守る状態が続き,同水準での小浮動推移となった。その日米首脳会談では,トランプ米大統領から円ドル相場について目立った発言はなかったと伝わり,市場に安堵感が広がったことで,$1=108円水準を逸脱することはなかった。週明けの23日以降は,朝鮮半島情勢を巡る懸念の後退や米長期金利が大幅に上昇(債券価格は下落)したことによる日米金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いの増加からドルが上昇,26日には$1=110.43円とほぼ3ヵ月ぶりの安値をつけた。27日も朝鮮半島での首脳会談が実施され,前月と同水準の$1=110.35円をつけて越月した。円が対ドルで下げた影響を受け,円は対ユーロでも月初の?1=131円水準から月末の?1=134円水準へ下げた。5月は1日に$1=110.36円でスタート,上旬は連休を挟んで,日米の金利差拡大を見込んだ円売り・ドル買いが優勢だったことから,概ね円安基調で推移した。7,8日では前週に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)声明や米雇用統計の結果等が米利上げの加速を意識させる結果とならなかったことで,やや円高に振れたが,9日以降は日米の金利差拡大に着目した円売り・ドル買いが出て,円は反落した。中旬にかけては,主として米長期金利の上昇による日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが優勢となったことで,ほぼ$1=111円水準で推移,週明けの21日には$1=112.09円をつけ,1月以来4ヵ月ぶりの円安・ドル高水準となった。米中貿易摩擦の懸念が和らぎ,「低リスク」とされる円を売ってドルを買う動きが出たことも円安・ドル高基調を導いた。ところが,下旬では,米長期金利の上昇に一服感が出て円買い・ドル売りが優勢となり,朝鮮半島情勢への警戒感も,「低リスク通貨」とされる円の買い戻しを誘ったため,円が再び上昇,$1=110円水準で小動きとなった。とくにトランプ米大統領による米朝首脳会談の中止声明を受け,29日には$1=110.25円まで円が戻した。この間,同大統領がすぐに,米朝首脳会談について当初予定通り6月12日の開催を視野に入れていると表明したものの,円売り・ドル買いはあまり続かず,加えて月末では米国債利回りの低下や日経平均株価の下落が材料となって,円高・ドル安基調が続いた。30日には,南欧の政治懸念が強まり,$1=109.41円まで円が上昇,翌31日も$1=109.70円とほぼ同じ円高・ドル安水準となって越月した。円は対ユーロでも,対ドルで示したとほぼ同じような動きを見せた。月末の30日には南欧の政治危機から?1=126円水準まで高騰,2017年6月以来の円高・ユーロ安となった。6月は1日に$1=109.94円でスタート,上旬ではイタリアなど南欧の政治不安が和らぎ,1日発表の5月の米雇用統計の結果が円売りを促したことで,$1=110円前後へ円がその価格水準を切り下げた。ただ,8日には主要7カ国(G7)首脳会議を控え,米国の保護主義的な貿易姿勢への警戒感からやや円が反発した。中旬では,12日に米朝首脳会談が開催され,朝鮮半島の非核化に向けた動きが進むとの期待から円売り・ドル買いが進んだものの,その後-37-鉱山第778号2019年8・9月