ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

が買われた。その後,20日にその予算が失効したが,週明けの22日はそれが早々と成立したことで円買いは継続され,$1=111円水準で推移した。25日には,米長期金利の低下や24日の米財務長官のドル安容認発言を受け,$1=110.50円をつけ,前年9月以来の円高・ドル安水準となった。ところが,25日にトランプ米大統領が24日の米財務長官の発言とは逆の,「最終的に私は強いドルを好む」と発言したことで,ドルがやや戻し,$1=110.78円となった。ただその後,29日には日銀が金融緩和の縮小に向かうとの思惑から円が買われ,$1=109.71円となり,31日にはほぼ同水準の$1=109.79円をつけて越月した。対ユーロでは,円は月後半から,欧州中央銀行(ECB)による量的金融緩和政策の早期縮小観測等により?1=136~137円水準へ下落した。2月は1日に$1=110.24円と前月末からやや下げてスタート,上旬では概ね米国の長期金利の動向や世界同時株安等をにらみ,$1=110円水準での小動きに終始した。急激な株安は「安全資産」とされる円を買う動きを促すかに見えたが,大きな変動は示さず,比較的「おとなしい」値動きとなった。それでも,一時的な米長期金利の上昇を受け,8日には米株式相場が大幅に下落,円を買ってドルを売る動きが広がり,9日には$1=109.88円まで円が上昇した。この流れは,中旬入り後も衰えず,日米の株式相場の続落や米国の財政赤字拡大への懸念,さらには物価上昇率の高まり等により,長期的にドルの価値が目減りするとの思惑が広がり,ドルが幅広い通貨に対して全面的に下落したことで,16日には$1=107.29円と2016年11月以来1年3ヵ月ぶりの円高・ドル安水準となった。下旬入り後は日本の株価反発や日本国内の輸入企業からまとまった円売り・ドル買いが出たことで,円は徐々に値を切り下げ,21日には$1=108円台へ円が下落した。月末では,国内輸出企業の円買いが出てやや反発したが,27日のパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を受けて米金利の先高観が広がったことで,28日には$1=108.37円へ下げて越月した。対ユーロでは,月前半,欧州の景況感改善から円は下落したが,月後半以降は欧州中央銀行(ECB)が1月理事会の議事要旨で,金融政策の正常化に慎重な姿勢を示したことで円は反発し,概ね?1=133円水準を中心とした値動きとなった。3月は1日に$1=107.73円とやや円高に振れてスタート,トランプ米大統領が現地時間の1日に鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動する方針を示し,米国が保護主義とドル安容認を強めるとの思惑から円買い・ドル売りが強まったことで,土日を挟み円が急騰,5日には$1=106.55円と2016年11月以来の円高・ドル安水準をつけた。その後,上旬後半から中旬にかけては,主として日米株価の上げ下げや米国政治経済の先行き不透明感を見据えた小動きとなった。この間,米労働省が9日に発表した2月の雇用統計(速報値,季節調整済み)は,非農業部門の雇用者数が前月比31万3千人増えたが,為替相場にほとんど影響を与えることがなかった。ところが,週明けの19日には,ティラーソン米国務長官の解任など米政治の不透明感が強まって円高基調が進展,それ以降も小幅な動きながらも,円高基調が続き,23日には,米中の貿易摩擦への懸念や米国の政権運営を巡る不透明感も加わり,$1=105.93円と5日と同じく2016年11月以来1年4ヵ月ぶりの円高値をつけた。26日以降は,米中貿易摩擦に対する過度の懸念が後退し,欧州株が大幅高で推移したこともあり,円が売られ,$1=106円水準から$1=107円水準へ円が後退,30日には月初水準に近い$1=107.24円をつけて越月した。対ユーロでも,円は上旬から下旬初めまでは,円買い・ドル売りが優勢となった流れを受け,?1=130円水準を目指す動きとなった。ところが,月末では,欧州株の上昇もあって続落,円は?1=132円水準まで後退を余儀なくされた。鉱山第778号2019年8・9月-36-