ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

ら早期利下げ観測が強まると,$1,380水準へ一段高の展開となり,週明けの24日には$1,400台へ達し,翌25日には$1,431.40と2013年5月以来約6年1ヵ月ぶりの高値をつけた。この高騰の背景には,米・イラン関係の緊迫状態を受け,相対的に安全な資産とされる金を買う動きが活発化したこともあった。だが,月末では,大阪開催のG20で米中貿易協議が前進するとの期待が強まったため,また急騰による利益確定の売りも出たため,28日には$1,409.00まで下げて越月した。7月から8月にかけては,冒頭で述べたように,強材料により上昇基調を辿り,8月中旬には6年4ヵ月ぶりの高値である$1,500台へ到達した。Ⅱ.為替相場1.概要(図3参照)2018年の為替相場(ここでは三菱UFJ銀行のTTS相場)は,3月に米国の保護主義的な政策の実施により対ドルで円高基調となったものの,それ以降円は$1=110円台前半で推移,金現物相場同様,ほとんど変化なく,やや円安基調を保ちながら横ばいで推移した。対ユーロでは,年間を通し緩やかな円高基調で推移した。ただ,金価格のところでも述べたように,2019年の夏場以降,材料(必ずしも経済的に良い材料とは言いにくいが)が出揃い始めたことで,円は対ドルでも,対ユーロでも上昇し始めている。夏期休暇をとる方が多い夏場だが,注視せざるを得ない状況となっている。2018年の対ドルでの円最高値は3月23日の$1=105.93円,最安値は10月24日の$1=115.42円だった。2.為替動向(1)2018(平成30)年1~3月2018年1月は4日に$1=113.75円とやや円高でスタート,年初のこの円高基調は上旬から中旬にかけても継続し,上旬の$1=113円水準から中旬の$1=111円水準へ円は上昇した。上,中旬では,長期金利の指標となる日本の新発10年物国債の利回りが2ヵ月半ぶりの水準に上昇(価格は下落)したことで,日米金利差が縮小するとの思惑から円買い・ドル売りが出たほか,中国政府が米国債の購入減額を検討しているとの一部報道がドル安基調を促した。18日には一時的にドルが反発したが,翌19日は米連邦政府のつなぎ予算の期限切れへの警戒感から再び円100110111.86108.96107.07108.44110.74 111.03112.38 112.08112.91113.82 114.36113.51109.98111.38112.24 112.73110.86120130140136.83134.96132.38133.57131.19129.93131.66129.80131.93131.13130.29129.42125.96126.80 127.18 127.07124.35150160157.40155.11152.15155.53151.91150.22 150.66147.11150.05150.83 150.29146.46144.79147.61150.64149.66144.792018年1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月2019年1月2月3月4月5月円/米ドル111.86 108.96 107.07 108.44 110.74 111.03 112.38 112.08 112.91 113.82 114.36 113.51 109.98 111.38 112.24 112.73 110.86円/ユーロ136.83 134.96 132.38 133.57 131.19 129.93 131.66 129.80 131.93 131.13 130.29 129.42 125.96 126.80 127.18 127.07 124.35円/英ポンド157.40 155.11 152.15 155.53 151.91 150.22 150.66 147.11 150.05 150.83 150.29 146.46 144.79 147.61 150.64 149.66 144.79図3為替相場推移(月平均)-35-鉱山第778号2019年8・9月