ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

ドル安に加え,米国の追加利上げ見送り観測の台頭から大幅続伸し,$1,300台乗せとなった。さらに,30日に米連邦公開市場委員会(FOMC)で米利上げ見直しが決定されると,翌31日には$1,323.25まで上伸し,2018年5月以来8ヵ月ぶりの高値をつけて越月した。2月は1日に$1,320.75でスタート,上旬から月半ばにかけては前月末につけた8ヵ月ぶりの高値水準を上回ることもなく,$1,300台そこそこのレベルを維持しながら推移した。これはドルが僅かながらも反発したことが大きかった。ところが,週明けの18日以降は世界経済の減速懸念や米利上げへの打ち止め感が金融市場で台頭,それを受けた金買いの高まりから急伸,$1,320水準へ上昇すると,20日には$1,345.75まで続伸し,2018年4月以来10ヵ月ぶりの高値をつけた。その後下旬から月末にかけては,緩やかなドル高からやや水準を下げ,$1,320水準での展開となった。28日は公表された米GDPが市場予想を上回ったことで,リスク回避商品の金が売られ,$1,319.15と$1,320水準を下回って越月した。3月は1日に$1,309.95でスタート,上旬から中旬にかけては,ドルがドル高への警戒感を強めながらも,概ね堅調に推移したことで,ほぼ$1,300台を割り込む展開に終始した。下旬以降は,反対にドルが反落したことで,$1,300台を再び回復した。しかし,ドルの上昇の勢いが弱かったこともあり,金価格は$1,300水準をやや上回ったところでの,小浮動推移となり,やや精彩に欠ける値動きとなった。月末では,米中貿易協議をにらんだドル高から,再び$1,300台を割り込み,29日には$1,295.40をつけて越月した。(6)2019年4月以降4月は$1,291.90でスタート,上旬はドル高基調から$1,300台を割り込んだまま推移していたが,9日に国際通貨基金(IMF)が2019年の世界経済の見通しを下方修正したことを受け,10日には$1,305.45と2週間ぶりの高値をつけた。中旬では,ドル高基調に加え,世界的な株高から,再び$1,300台割れとなった。下旬でも金価格の下落基調は衰えず,23日には$1,269.50と年初来の安値をつけるとともに,4ヵ月ぶりの安値となった。これまで金相場の下値を支えていた世界景気減速への懸念がひとまず後退し,安全資産の金から資金を引き揚げる動きが堅調になったことに加え,上場投資信託(ETF)の残高も減少が加速し,さらに金融市場の楽観的な見方が台頭したことも大きかった。その後は,売られ過ぎからやや値を戻し,30日には$1,282.30をつけて越月した。5月は$1,281.80でスタート,初旬は対主要通貨でドルが買われたことで続落,3日には$1,270.05まで下げ,月間最安値をつけるとともに,約1週間ぶりの安値となった。ところが,中旬では,一時的に米中の貿易協議を巡り交渉継続への期待感から投資家のリスク回避姿勢がやや和らいでドルが買われる場面もあったものの,市場では米中貿易協議の先行きを巡る不透明感が強まったことでドルが売られ,それの動きとは反比例する金が上昇した。15日には$1,299.10まで上昇し,月間最高値をつけるとともに,約1ヵ月ぶりの高値となった。下旬入りすると,原油安とドル反発から小安く推移したが,月末では,再び先行きの米中の貿易摩擦の激化が改めて意識されたことによるドル安から回復基調となり,31日は15日の水準へ迫る$1,295.55となって越月した。ただ,本年1月から継続していた価格の$1,300台到達は,5月で途切れることになった。6月は3日にドル安を背景に$1,313.95とあっさり$1,300台に到達してスタートすると,上旬ではドル安基調の為替相場をにらんで$1,300台前半で堅調に推移した。13日に石油輸送の要衝であるホルムズ海峡近くでタンカーが攻撃され,中東での地政学リスクが高まると,さらに上昇し,$1,350水準と2016年8月以来の高値をつけた。この上昇基調はその後も続き,19日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果か鉱山第778号2019年8・9月-34-