ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

をかろうじて守って越月した。9月は$1,200水準を挟んだ小動きに終始した。3日に$1,201.70と$1,200台を守ってスタート,その後は,月末まで,主に金価格にとっての強弱材料によって,$1,200水準を挟んだ小動きとなった。弱材料は米金利上昇などを背景にしたドル高で,強材料は米国によるイラン制裁の復活や米中貿易戦争であった。月末27日には,米連邦公開市場委員会(FOMC)が本年3回目となる利上げを決めたことで,28日の前場では$1,183.50と前月中旬以来の安値をつけたが,後場では$1,187.25とやや戻して越月した。(4)2018(平成30)年10~12月10月は1日に$1,185.30でスタート,月初から5日にかけてはドル高の進行で,水準としてはやや高いながらも$1,200水準を若干上回ったところでの展開となった。その後8日から10日にかけては$1,200水準を下回る展開となったが,11日にはドル安基調から$1,200台を回復,それ以降,月末まで,$1,200台割れは一回も引き起こさなかった。中旬では,世界的な株安で金市場に投機資金が流入し,$1,220~1,230水準まで上昇した。だが,17日に発表された米連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で米連邦準備理事会(FRB)が12月の追加利上げを示唆したことから,一時的に$1,220水準近くまで下げたが,同水準での推移は長くは続かなかった。下旬では,米株式相場の乱高下やイタリア財政不安を受けて上昇,23日以降は$1,230~1,240の高値圏での展開となった。しかし,月末では,ドルが主要通貨に対して上げ,ドルの代替投資先とされる金から資金が流出したことで続落,31日には$1,214.95をつけて越月した。11月は1日に$1,223.25でスタート,スタート直後では,一時的なドル安から前月の最高値である$1,235水準まで反発したものの,上旬では,中国の景気減速懸念や米株式相場の上昇により続落,$1,230水準から$1,210水準へ後退した。13日には急激なドル高も影響して,$1,197.55まで下落し,前月の最安値に近づく値動きとなった。中旬では,ドル高基調は継続していたものの,為替市場にドル高の一服感がゆっくりと浸透したことで,徐々に値を戻していった。この間の米利上げムードの沈静化も金価格に良い影響を与えた。19日以降は$1,200台をキープし,月末まで一度も$1,200台を割り込むことはなかった。27日には,米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長が継続的な利上げが必要との見方を示したことが直接の売り材料となって下落,28日には$1,213水準まで下押しした。翌29日には前日のパウエルFRB議長の発言から反発したものの,すぐに沈静化,30日には$1,217.55と月初とほぼ同じ水準で越月した。12月は3日に$1,231.05でスタートし,年末まで概ね日欧米の株価と為替相場の動向に合わせた値動きとなり,それ以外はほとんど材料視されなかった。上旬から中旬にかけては,主として日米欧の株価を起因としたドル高から$1,230~1,240の狭い範囲でくすぶっていたが,下旬入りすると,為替相場が一転してドル安に転換したことで,$1,250水準から$1,260水準へ急上昇,その後年末には,ドルがやや戻したものの,28日の日米欧の株価急落を受けて大幅続伸,31日には$1,281.65と本年6月以来半年ぶりの高値をつけて越年した。(5)2019(平成31)年1~3月2019年1月は2日に$1,287.20でスタート,中旬に一時小安くなるも,ほぼ年初から月末にかけてジリ高基調となり,7ヵ月ぶりの$1,300台乗せとなった。2日に始まった金相場は,米利上げペースが一段と鈍るとの見方が浸透し,それに絡んでドルも小安く推移したことで,緩やかながらも$1,300へ向けて上昇基調を辿った。21日には,米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待感が出たことで$1,270水準へ下落するも,米株高によるドル安を背景にすぐに反発した。28日にはその-33-鉱山第778号2019年8・9月