ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

負担をしているところである。また,償却資産への課税は国際的に見ても極めて異例である。特に昨今我が国企業の置かれる事業環境は以前にも増してかなり厳しく,国内産業の空洞化が懸念される状況にある。国内産業の空洞化は企業の利益の問題だけでなく,雇用の問題や税収の問題にも波及する。国内産業の保護・活性化,国際競争力確保の観点からも,償却資産に対する固定資産税については段階的な縮小・廃止をお願いしたい。その中で,償却資産の課税標準については法人税法に合わせて,以下の2点を認めていただきたい。1.5%残存価格の撤廃2.中小企業に対する少額減価償却資産の特例(30万円未満は損金算入)その際,地方財政の健全化を損なわないように代替財源の手当ても必要である。2不動産に係る固定資産税の軽減不動産に係る固定資産税は,バブル崩壊後,土地をはじめとする資産価格が下落した中で過重な税負担となっており,評価方法の見直し・税率の軽減をお願いしたい。3法人事業税の見直し平成16年度から導入された法人事業税における外形標準課税は,実質的に大企業に対する資本金ならびに賃金課税であり,企業の雇用や投資,分社化等の企業再編に抑制的に作用し,経済活力を削ぐ虞がある。特に,資本の大半を海外資源開発事業等に投資している場合において,海外に事業所がない場合や投資先が子会社ではない場合は,資本割の負担が著しく重くなる。(※従って,外形標準課税について,資本割の軽減措置の拡充)を図るとともに,計算方法の簡素化及び住民税均等割,事業所税等,他の外形標準課税制度との整理・統合による地方税制度の簡素化を検討していただきたい。(※)特定子会社株式の総資産に占める割合が50%超の場合のみ,特定子会社株式に対する軽減措置が適用されるが,50%を境に適用・非適用の格差が大きいため,基準の引き下げ等をお願いしたい。4地方税の申告・納付の一元化現在は,事業所等の存在するすべての都道府県・市区町村に対し個別に申告書の提出・納付をするため,事務負担が非常に大きい。都道府県・市区町村とも課税ベースは共通であり,一括申告納付する方式を採用していただきたい。4.その他の要望(1)企業会計と税務所得計算における乖離の縮小近年,会計基準の国際的な収斂に向けて企業会計基準の改正が加速化している中で,確定債務主義をとる税法との乖離がますます拡大する傾向にあり,計数処理を複雑化し,企業の事務負担を増加させている。特に賞与引当金及び退職給付引当金等については,労働の対価等を基準として発生主義に基づいて費用計上されるべき性質のものであり,企業会計基準に準じて損金算入できるよう,見直していただきたい。(2)消費税確定申告期限の延長消費税の確定申告期限は決算日から2ヶ月以内となっている。一方,法人税については,申告期限の延長が認められている。-237-鉱山第778号2019年8・9月