ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

の理事と面談を持ち,主として鉛蓄電池の置かれた状況,特にREACH規制,ELV指令について情報交換を実施した。5.環境規制等(1)RoHS2018(平成30)年5月に「溶融亜鉛めっきの部材については,鋼材を含めた重量比で鉛を0.2%以下にする」という,従来の0.35%より厳しい内容で鉛の除外規定が改定された。実質的にはこの除外規定の範囲内で運用可能である。この除外規定は2021(令和3)年7月21日が期限となっている。(2)REACH2018(平成30)年6月に発表されたREACH規制の第19次認可対象候補リストに鉛が追加された。同年10月には,鉛蓄電池の製造において必須物質であり,認可対象候補リストに含まれている4つの鉛化合物(一酸化鉛,四酸化三鉛,四塩基性硫酸鉛,三塩基性硫酸鉛)を認可対象物質(附属書XIV収載物質)にするかがREACH委員会で議論された。数ヶ月の協議を経て,2019(平成31)年2月に今回は認可対象物質にしないと判断された。6.日本鉱業振興会助成金対象研究以下の5件について調査研究のサポートを行った。(1)「溶融亜鉛めっき鉄筋を使用したコンクリート構造物の寿命予測および点検診断手法の確立に向けた基礎的研究」(継続:2年目)鹿児島大学教授武若耕司本研究は溶融亜鉛めっき鉄筋の耐久性に関する寿命予測手法および点検手法の確立を目指す。本年度は,各種アルカリ溶液中に長期浸漬後の腐食挙動について電気化学的手法を用いて定量的に評価した。コンクリート中の溶融亜鉛めっき鉄筋の腐食挙動についても電気化学的手法を用いて定量的に評価した。各種非破壊検査手法を用いた測定を実施した。(2)「コンクリート中における溶融亜鉛めっき鉄筋の腐食と付着の評価」(継続:2年目)金沢工業大学教授宮里心一本研究は亜鉛めっき鉄筋がコンクリート部材に埋設される場合の,炭素鋼と比較した亜鉛めっき鉄筋の高耐久性を明らかにするものである。本年度は,中性化の有無およびひび割れの有無に相違をもうけた供試体により,腐食速度を測定した。亜鉛めっき鉄筋と炭素鋼の電気的接続状態に相違をもうけた供試体により腐食速度を測定した。塩化物イオンの供給量に相違をもうけた供試体により付着強度を測定した。(3)「溶融亜鉛めっき鉄筋を用いた実構造物の調査に基づく耐久性評価」(継続:2年目)京都大学准教授山本貴士本研究は実構造物中の鉄筋を調査,モニタリングすることで,耐久性を明らかにすることを目的としている。昨年度に引き続き,溶融亜鉛めっき鉄筋を用いた実構造物の事例調査,構造物管理者へのヒヤリングを行った。特に,多様な供用環境を対象とし,沖縄県の栽培漁業センターの構造物調査について打診を開始した。(4)「鋼構造建築物における溶融亜鉛めっき割れに関する研究」(新規)神戸大学田中剛本研究は溶融亜鉛めっき割れの発生抑止策の提示および構造性能に立脚しためっき割れの許容限界を把握することを目的とする。本年度は,実大試験体の形状を決定するための予備解析を実施した。柱梁部分架構試験体の浸漬測定試験を行い,熱電対および高温ゲージを用いて浸漬中の割れ発生が想定される円形孔近傍の歪履歴および各部の温度履歴を把握した。浸漬測定実験を対象とした有限要素解析による熱伝導-熱応力解析を実施し鉱山第778号2019年8・9月-226-