ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

『コアビジネス(資源・製錬・材料)の成長基盤強化』では,ケブラダ・ブランカ2プロジェクト(資源),ポマラプロジェクト(製錬),電池増強(材料)を3大プロジェクトと位置付け,総力を挙げて推進していく。電池増強は,拡大が見込まれる車載用二次電池の需要に対応し段階的に能力を増強していく。2019年4月に新設した電池材料事業本部のもと,中長期的には2024年中期経営計画期間(2025~2027年度)中に,電池正極材料(ニッケル酸リチウム(NCA),三元系(NMC),水酸化ニッケル)の合計1万t/月の生産体制構築を目指す。『電池向け正極材を軸とした3事業連携の強化』では,電池リサイクルの事業化(バッテリーtoバッテリー)に向け,2019年3月,廃リチウムイオン二次電池の新リサイクルプロセスパイロットプラントの稼働を開始した。事業化が実現すれば,国内において持続可能な循環型社会の形成がより一層進み,世界的な資源枯渇に対応する資源循環に大きく貢献することになる。(3)研究開発活動(材料セグメント)環境・エネルギー分野で注目されている二次電池正極材及び情報通信分野で注目されている情報通信端末用のSAWフィルターに関連した機能性材料を中心に研究開発を進めている。二次電池関連では,リチウムイオン二次電池の正極材料であるニッケル酸リチウムについて,コスト・容量・出力及び安全性確保などの機能向上を図り,ハイブリッド自動車,電気自動車用電池への積極的な展開に取り組んでおり,開発した新規材料の量産移行を進めている。情報通信分野では,情報通信端末用SAWフィルターのチップに用いられるタンタル酸リチウム基板やニオブ酸リチウム基板の製造コスト低減のため,育成結晶の長尺化や育成及び加工収率向上のための技術開発に取り組んでいる。産学連携による研究開発推進のため,東北大学と包括的な共同研究と人材教育を進める組織連携協力協定を締結し,同大学の広範囲にわたる研究機能を活用して,機能性材料の開発,評価技術の開発及び人材育成を進める体制を整備している。当セグメントに係る研究開発費は36億36百万円である。(日鉄鉱業)(1)業績(機械・環境事業,再生可能エネルギー事業)機械・環境事業については,環境部門の主力商品である水処理剤及び機械部門における販売が好調であったことから,売上高は118億12百万円と前連結会計年度に比べ17億97百万円(17.9%)増加し,営業利益は11億12百万円と前連結会計年度に比べ4億11百万円(58.8%)増加した。再生可能エネルギー事業については,地熱部門及び太陽光発電部門ともに概ね順調に推移したことから,売上高は19億23百万円と前連結会計年度に比べ1億88百万円(10.9%)増加し,営業利益は3億63百万円と前連結会計年度に比べ56百万円(18.4%)増加した。(2)対処すべき課題(機械・環境事業,研究開発部門)1機械・環境事業における収益の確保機械・環境事業については,当社及び機械関連子会社における合理化並びに資機材の海外調達や生産工場の一部海外シフト等の徹底的なコスト削減と環境リサイクル市場に的を絞った商品の選別を行い,収益の確保に努めていく。2研究開発部門による早期商品化開発テーマの選別によって,これまで以上に独自技術の優位な分野に戦力を集中して研究・商品開発を行い,市場ニーズに合致した商品の早期市場投入を推進していく。また,新テーマの発掘及び戦略的特許管理も重点課題と位置付けている。(3)研究開発活動(機械・環境事業)当社研究開発部機械・環境開発課は,水処理剤や各種機械装置に関する研究開発を行ってい鉱山第778号2019年8・9月-200-