ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

手続等を規定した「有害廃棄物の国境を越える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約」が作成され,我が国においても1992(平成4)年にこの条約に関連する「特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律(以下,バーゼル法)」が制定された。しかし,制定以来20年以上にわたって大きな見直しを行っていなかったことから,環境及び経済をめぐる多くの問題が顕在化しているとして,環境省は2015(平成27)年に「廃棄物等の越境移動等の適正化に関する検討会」を開催,以降,環境省及び経済産業省の合同会議「中央環境審議会循環型社会部会特定有害廃棄物等の輸出入等の規制の在り方に関する専門委員会,産業構造審議会産業技術環境分科会廃棄物・リサイクル小委員会有害廃棄物等越境移動ワーキンググループ合同会議」が2016(平成28)年から開始され,規制の適正化に関する審議が行われた。この中の論点として鉱業協会に関連する「E-scrap等輸入時のバーゼル手続きの簡素化」や「使用済み鉛バッテリー等の国外流出」なども挙げられており,規制の適正化が当業界に与えるメリットは大きいことから,協会からも委員として会議に参画し,問題提起を行った。その後バーゼル法改正に向けた報告書が取りまとめられ,改正法案は2017(平成29)年度の通常国会で審議・可決された後,2017(平成29)年6月16日に改正バーゼル法が公布された。その後,関連省令が順次公布され,2018(平成30)年10月1日に施行となった。今回の改正バーゼル法には業界として要望してきた内容がほぼ盛り込まれることとなり,電子部品スクラップ等の非鉄金属資源の輸入の円滑化や国内における非鉄金属資源の適正循環の確保がおおいに期待できるものとなった。2.自主活動バーゼル法改正により,E-Scrap等のグリーンリスト対象物を非OECD加盟国から輸入する際,輸入手続きが簡素化されることとなったが,海外の一部や,国内でも十分理解されないまま,「日本は手続き不要」と認識されることで不正な取引に利用され,国・業界としての信用を落とす懸念が考えられるため,バーゼル法の基本的事項告示等に移動書類又はこれに類する書類の携行等のトレーサビリティーに関する努力規定が設けられた。これに基づき当協会においても自主活動として適正な処理とトレーサビリティ確保に関する非鉄金属製錬所のガイドラインを作成し,その内容をHPに掲載※,改正バーゼル法施行とともに本運用を開始した。※2019(令和元)年7月1日現在,協会ガイドライン遵守を表明した事業所の数は17。Ⅲ再資源化部会目的:環境事業の推進構成:DOWAホールディングス(2018(平成30)年度部会長会社),住友金属鉱山,中外鉱業,東邦亜鉛,三井金属鉱業,JX金属,日鉄鉱業,野村興産,古河機械金属,三菱マテリアル,日本冶金工業,大平洋金属※(12社)※2019(平成31)年度より加入活動状況:1回/2月開催2018(平成30)年度の議題は,バーゼル法改正に関する対応,政策要望・規制改革要望,当業界の環境事業の現況調査,現場勉強会等である。(1)政策要望書の提出以下の5項目について政策要望書を提出した。・バーゼル法に基づく輸出入制度の見直し・循環型社会構築のための施策推進・リサイクル事業の拡大・開拓のための支援・リサイクル技術・システム高度化のための開発支援・国際資源循環システムの推進(2)廃棄物処理・リサイクル関連の情報収集・意見の提出関係省庁等から入手した情報の共有,バーゼル法や廃棄物等,環境事業に関連する規則-197-鉱山第778号2019年8・9月