ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

施している。JV調査では19ヵ国27地域で調査を実施した。海洋底資源調査では経済性の検討を実施,総合評価報告書を公表した。地熱資源開発については,政策面で「第5次エネルギー基本計画」が閣議決定され,地熱発電はベースロード電源として位置付けられた。鉱業協会の会員企業は地表調査,試錐掘削等の実施,事業計画の推進,あるいは既に蒸気供給事業を実施の事業者は蒸気量の回復にも取り組んだ。技術開発では,JOGMECがリモートセンシングと物理探査に関する分野の技術開発を進めた。宇宙システム開発利用推進機構(Japan Space Systems)は石油・天然ガス及び金属鉱物資源探査への衛星データ利用技術開発等を継続して行った。鉱業協会は2016(平成28)年度より3年間の計画で,国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同で「海底熱水鉱床試料の比抵抗測定方法の標準化に関する研究」を実施している。[製錬]鉱業協会は,製錬副産品である非鉄スラグの用途拡大に取り組んでいる。2016(平成28)年3月に公表された「非鉄スラグ製品の製造販売管理ガイドラインの改正」を2019(平成31)年3月に再度改正し,非鉄各社の製造販売マニュアルに反映された。2018(平成30)年度下期には,外部審査機関(JICQA)の審査を通して,システムの有効性を担保する活動を実施した。外部への説明関連では,『港湾・空港工事における非鉄スラグ利用技術マニュアル』を幅広い広報活動に活用すべく,非鉄スラグ製品の技術説明会を継続して開催している。また,『フェロニッケルスラグ骨材または銅スラグ細骨材を使用するコンクリートの調合設計・製造・施工指針・同解説』を2018(平成30)年12月に改訂版として発刊した。[分析・標準化]鉱業協会は,経済産業省から助成を得て,2018(平成30)年度から新たに「銅,鉛及び亜鉛精鉱中の銀,ひ素,カドミウム及びふっ素定量方法に関する国際標準化」に取り組むこととした。また,国内製錬所における輸入原料の分析方法について統一法の確立を目指して,日本鉱業振興会の助成を得て2017(平成29)年度から2019(令和元)年度までの3年間,「効率化を考慮した鉱石分析方法の統一化,標準化に関する研究」に取り組んでいる。標準化に関しては,経済産業省助成戦略的国際標準化加速事業である「銅,鉛及び亜鉛精鉱中の銀,ひ素,カドミウム及びふっ素定量方法に関する国際標準化」,一般財団法人日本鉱業振興会助成の「効率化を考慮した鉱石分析方法の統一化,標準化に関する研究」を行った。[エネルギー]鉱業協会の2018(平成30)年度の会員企業の鉱山・製錬部門の電力使用量は前年度比2.4%増の69.5億kWh,電気料金は同12.7%増の561億円だった。再生可能エネルギーのFIT賦課金の負担,石油・天然ガスの価格上昇に伴う燃料調整費の負担が上昇基調になったことが電気料金の増加要因となった。このような状況下,鉱業協会は前年度に引き続き,政府や国会議員に対し,安全規制基準に適合した原子力発電の早期再稼働による低廉で安定した電気料金の実現,FIT賦課金減免の維持・拡充,企業の省エネ行動を後押しする補助施策を求め,要望活動を実施した。大手電力会社に対しても,原子力発電の早期再稼働などを含めた要望活動を行った。省エネに関しては,2018(平成30)年度のエネルギー原単位は前年度比1.85%減となった。鉱石品位の低下に加えて継続している省エネ施策の効果が手詰まりになっているものの,銅の増産が影響したものと考えられる。安定して目標を達成できるよう引き続き支援していく。2018年度の「エネルギー使用合理化等事業者支援補助金」については,鉱業協会会員の6件が総額41百万円の交付を受鉱山第778号2019年8・9月-12-