ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

炭素技術の普及等を紹介した。*1:タラノア対話とは,温室効果ガスの削減に関する世界全体の努力の進捗状況を検討するために実施されるもの。議長国フィジーの提案により,フィジー語で透明性・包摂性・調和を意味する「タラノア」が使われることとなった。(包摂的,参加型,透明な対話プロセス)4ハイレベル・セグメント等第3回ハイレベル資金閣僚級対話・プレ2020の実施と野心に関するストックテイク(全ての国の2020年までの取り組みについての対話)・タラノア対話等の議論が行われた。また,議長国であるポーランドが主導し,「公正な移行」「E-mobility」「森林」の3つの分野において宣言が取りまとめられ,我が国は,同3宣言への支持を表明した。5COP24決定交渉の結果,12月15日,パリ協定の実施指針案,プレ2020の実施と野心に関するストックテイク,タラノア対話の成果,IPCC1.5度特別報告書への言及等を含んだ『COP24』決定が採択された。その後,同実施指針を含んだCMA,パリ協定第1回締約国会合第3部(CMA1-3)決定が採択された。我が国は,パリ協定の実施指針採択に向けた議論に積極的に貢献した。次回COP25は,2019年11月チリで開催される。(イ)我が国の取り組みの発信1各国の閣僚級との会談原田環境大臣は,各国の閣僚級等(米国,EU,モルディブ,中国,エチオピア,ポーランド・COP24議長等)との会談を実施。パリ協定実施指針採択に向け,強く働きかけを行うとともに,気候変動分野での協力等について意見交換を行った。2閣僚級会合における原田環境大臣ステートメントCOP24におけるパリ協定の実施指針採択に向け,積極的に貢献していく強い決意を述べた。また,日本の優れた技術と科学的知見を活用して世界の脱炭素化を牽引するとともに,来年のG20議長国として,「環境と成長の好循環」を実現する世界のモデルとなるべく取り組みを進めること,脱炭素化とSDGsを実現するため,「地域循環共生圏」という将来ビジョンを構築したことについても言及した。さらに,パリ協定の着実な実施のため,資金,能力開発及び技術開発・移転を通じた支援を継続していくことを表明。2020年における1.3兆円の支援の着実な実施,2国間クレジット制度(JCM)の推進,温室効果ガス観測技術衛星「いぶき2号」による科学的知見の提供,菅沼気候変動交渉担当政府代表のGCF次期事務局長候補への擁立,IPCC第49回総会の京都での開催等に言及した。3ジャパン・パビリオン日本政府としてジャパン・パビリオンと題するイベントスペースを設置し,12月7日に発表した「日本の気候変動対策支援イニシアティブ2018」をはじめ,国,各種機関・組織,研究者等の取り組みの紹介や議論を行うイベントを多数開催した。サイドイベントでは,我が国の優れた先端技術を含む,気候変動対策に関する貢献等について,経団連が取りまとめた我が国の産業界のグローバル・バリューチェーン(GVC)の削減貢献量を見える化したGVCコンセプトブックも紹介した。GVCを通じた削減貢献とは,「経団連低炭素社会実行計画」の趣旨に賛同し,参画している業種・企業が中心となり,グローバルに張り巡らされたバリューチェーン全体を通じて,地球全体での温室効果ガス削減に貢献することを目的とする取組みを指す。4市場メカニズム二国間クレジット制度(JCM)に署名した17か国が一堂に会する「第6回JCMパートナー国会合」を開催した。その場で17か国の代表者とJCMの進捗を歓迎し,JCMプロジェクトのさらなる形成と実施の支援を行うことで一致した。(ウ)評価今回のCOP24に際し,我が国は,(i)パリ協定の実施指針の採択,(ii)タラノア対話への貢-187-鉱山第778号2019年8・9月