ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

両立に向けて』について(電力多消費産業11団体共同要望書)2019年1月,日本鉄鋼連盟の参画要請に賛同し,同特殊鋼会,普通鋼電炉工業会,新金属協会,日本金属熱処理工業会,日本鉱業協会,日本産業・医療ガス協会,日本ソーダ工業会,日本チタン協会,日本鋳造協会,日本鋳鍛鋼会の電力多消費産業団体11団体,『国民負担の抑制と再エネの最大限の導入の両立に向けて』と題する意見書とエネルギー基本計画見直しの際に使用した『電力多消費各団体における窮状一覧表』と合わせて配布・要望説明し,業界団体トップおよび役員による政府・与党関係者への理解活動を強力に進めた。(理解活動で対応願った関係者は,原田環境大臣を含め都合15名,当協会は,加藤副会長,坂井理事,高橋理事にて往訪)その一環として,1月18日には滝波宏文経済産業大臣政務官,1月25日には磯﨑仁彦経済産業副大臣に本共同要望書を手交した。(日本鉄鋼連盟公表ベース)1.6電力システム改革に伴う電力政策の進展電力システム改革は,電力の安定供給の確保,電気料金の最大限抑制,需要家の選択肢や事業者の事業機会拡大を目指し,政府主導で進められている。2016年4月に第二段階の電力の小売業への全面自由化が開始されてから2年が経過し,この制度によって,新電力と呼ばれる小売り電気事業者数は2018年12月時点で543者が登録され,昨年度より102者増加し,電力10社による地域独占,発電,送配電,小売りの一貫体制から,電気事業者間の競争,需要家の選択機会拡大へ電力システム改革に伴う電力政策が進展した。一方で,供給実績のない事業者が118者(2018年7月時点,登録数の約24%),廃止した事業者が19者,事業承継をした事業者が27者にのぼる。電力自由化に伴い,各供給エリアで新規電力と大手電力会社間の競争により,また,各供給エリアの範囲を越えた,より広域での卸取引も一層活発になり,健全な市場競争の進展による電気料金の引き下げにもつながることを期待したい。一方,全面自由化の下,新電力は昼夜負荷変動の小さい産業用需要を満たすことが容易でなく,産業用電力シェアが相当程度低く留まっているなど課題が顕在化している。当業界にとって,電力問題は重要課題であり,電力事業者間の適正な競争と電気需要家の選択肢の拡大により,低廉かつ安定的な電力供給が実現するよう,電力会社に対し,実態に合わせた制度や運用の見直しを求めたい。電力システム改革の第三段階は,2020年4月に電力会社の送配電部門の法的分離が行われ,送配電部門の中立性の一層の確保を基軸とした改革施策策定が進行している。また,国の審議会などでは,電力システム改革貫徹に向けた課題対応として,市場メカニズムを有効に活用しつつ3E+Sを実現するために,卸電力市場をはじめとした既存の市場流動性を高めるとともに容量市場や非化石価値取引市場など,これまでになかった新市場を創設することにより,新たな価値の顕在化と流動化が進みさらなる競争活性化に向けた市場開設がなされている。具体的には,ベースロード電源市場が2019年7月に,需給調整市場が2019年から自主運営を開始予定,容量市場は2020年から開設が計画されており,非化石価値取引市場は2018年5月からFIT由来の再生可能エネルギーについて取引が既に開始されている。制度設計に関しても,地域間連系線の利用ルールや容量市場に参加する仕組み等,その意義と基本的な考え方の検討が進んでいるが,システムが複雑であり,今後の実効的な仕組みの検討に期待したい。2.省エネルギーの取り組み2.1エネルギー消費量及び原単位の削減状況省エネルギー法改正によって事業者単位によるエネルギー管理が必要となり,中長期的にみ鉱山第778号2019年8・9月-182-