ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

4.5%減の107千トンとなった。鉛地金の生産は,海外鉱の入荷が原料事情の悪化により低下したことから,前年度比3.6%減の194(※千トンと2年ぶりに前年を下回った。国内消費)は主力の蓄電池向けが振るわず,前年度比2.5%減の233千トンと6年ぶりに減少した。この結果,期末在庫は前年度比12.2%増の23.8千トンとなった。再生鉛の生産(二次精錬メーカーの生産量)は,主原料の使用済みバッテリーの韓国への流出が抑えられたことで増加,前年度比6.2%増の42.5千トンとなった。亜鉛地金の生産は,各製錬所で順調な操業が続いたものの前年度比0.7%減の521千トンと4年連続で減少した。国内消費は亜鉛メッキ鋼板向けが前年度比2.2%増となるなど,報告値では前年度比(※2.3%増加した。見掛け値)は微減で前年度比0.2%減の479千トンとなった。また,輸出は前年度比4.2%減の73.8千トンで,期末在庫は前年度比6.3%減の81.8千トンとなった。(※金地金)は2018(平成30)暦年の生産が前年比12.8%増の124トン,国内需要が23.8%減の101トンと生産・需要とも前年を上回った。(※銀地金)は2018(平成30)年度の生産(鉱業協会会員のみの数字)が前年度比7.0%減の1,774トンと2年連続で減少した。国内需要は1.6%増の1,126トンと2年連続で増加した。※銅,鉛,亜鉛の需要は見掛け値使用(期初在庫+生産+輸入-輸出-期末在庫)金は年度統計がなく,生産は経産省「非鉄金属製品統計」,消費はエネ庁「金流通統計」の暦年ベース銀はエネ庁「非鉄金属需給動態統計」の年度ベース・財務2018(平成30)年度の世界経済は米国経済が牽引役となり,成長のペースは鈍化したものの,全体としては緩やかな回復基調で推移した。一方,我が国経済は,国内需要は底堅く緩やかな回復基調で推移した。平均為替レートはほぼ前期並みとなった。このような事業環境の中,8社合計の決算(JXTGホールディングス㈱は金属セグメントの決算値のみを集計)は,売上高が前期比1.9%増の4兆9,827億円でわずかではあるが増収となったものの,親会社株主に帰属する当期純損益が前期比4.3%減の1,343億円で減益となった。2019(令和元)年度の業績予想は,売上高が前期比0.6%減の4兆9,543億円,親会社株主に帰属する当期純損益は前期比37.7%増の1,852億円を見込んでいる。なお,2017年度から国際会計基準(IFRS)の任意適用を開始したJXTGホールディングス㈱に加え,2018年度からは住友金属鉱山㈱も任意適用を開始した。・技術部門[資源開発]世界的に資源需要が高まり,中国等の新興消費大国との競争激化,資源国での資源ナショナリズムの高揚など,安定的な鉱石の確保がますます難しくなっている。このような中で,非鉄金属各社は近年の原料の供給難,買鉱条件の悪化に伴い,原料の安定供給確保のための海外資源開発を加速し,従来の大型プロジェクトの権益取得の他,自主鉱山開発も進めた。既存鉱山での探鉱の継続推進,チリ,ペルー,メキシコ,東南アジア等,環太平洋地域における金属鉱床探査,開発案件が報告されている。独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は,リスクの高い初期段階の探査事業を行う民間企業を積極的に支援することを目的として,「海外資源確保関連事業」という支援制度を実-11-鉱山第778号2019年8・9月