ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

ページ
187/278

このページは 鉱山2019年8・9月号 の電子ブックに掲載されている187ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2019年8・9月号

化政策を求める』,1月には『国民負担の抑制と再エネの最大限の導入の両立に向けて』とした要望趣旨にて,具体的な共同要望活動を進め,とくに1月から2月にかけ,業界団体トップ・役員による強力な要望活動を行った。また当協会単独では,会長記者会見,鉱業政策促進懇談会による政府及び与党への陳情を中心に「電力問題」が当業界の喫緊の最重点課題であることを訴え,以下の対策を強く要望した。(1)電気料金に関する鉱業政策要望の策定省エネルギー部会と電気委員会の合同会議において,2018年度の電気料金に関する鉱業政策要望事項を検討し,2018年4月のエネルギー委員会に諮って以下の通り決定した。これらの要望は,「資源確保のための支援策の強化」「バーゼル法に基づくリサイクル資源輸入制度の適正化」と共に,「鉱業政策の確立に関する要望書」等の中に最重点項目として盛り込んだ。日本鉱業協会は,関係する地方自治体及び労働組合と共に,関係省庁,衆参両院の関係議員に対して2018年7月と同年11月に要望書を手交し説明のうえ,要望実現を図るべく活動を行った。「低廉で安定的な電力供給の確保」(ⅰ)低廉で安定的な電力供給のための施策の推進(ⅱ)再生可能エネルギー賦課金減免措置の維持・拡充(ⅲ)電気料金値上げ対策のための補助施策の推進(2)FIT法改正(FIT賦課金減免制度)に対する要望活動2017年4月の改正FIT(Feed-in Tariff)法施行に先立ち,2016年10月に新減免制度が施行された。新制度では,省エネの取り組みの状況が認定基準に追加され,電力原単位(電力使用量(kWh)/売上高(千円))の改善率が基準を満たさない場合は,減免率が8割から4割に引き下げられ,さらに,改善率が2年連続で前年度を下回る場合は,減免申請すらできなくなるなど,減免認定基準維持申し入れを強力に進めたが,ルールが変更となった。ただし,減免認定基準を満たさない場合でも,省エネ法に基づく「事業クラス分け評価制度」でSクラス相当である工場・事業場やエネルギー原単位改善の設備投資計画を策定している場合は,減免対象となる特別措置が設けられた。非鉄金属製錬において,2019年度認定事業所の減免実績は,13事業所であり,昨年度から1事業所減少し,1事業所で減免割合が4割になった。各製錬所とも省エネ対策の余地がない中,電力原単位の継続改善のみで減免率を維持することが困難になっているが,減免を逃したのは,(売上高千円当たりの電力使用量(kWh))が5.6kWh/千円を切ったため認定条件を満たせなくなったものであるとのこと。協会活動としての,省エネルギー部会電気委員会での勉強会や,公募情報やFIT法改正に係る省エネ補助金活用に係る情報共有なども活きた成果がある反面,経済状況の変化に加え電気料金の高止まりの影響は拭えない状況である。2017年4月の改正FIT法施行に伴う新減免制度では,減免条件が厳しくなったものの,減免認定基準を満たさない場合でも,省エネ法でSクラスに分類された工場・事業場やエネルギー原単位の改善のための設備投資計画がある工場・事業場は減免を受けることができる優良基準相当,特別措置適用による減免申請時の対応を含め,定着化が進んできてはいる。一方2019年度においては,省エネを進め売り上げ増になると,売上高千円当たりの電力使用量(kWh)が5.6kWh/千円を満たせなくなるという本来の減免認定の趣旨に反する矛盾が生じてきており,改善を求める必要がある。省エネ対策の余地がなくなりつつある中,電力原単位の継続改善のみで減免率を維持することが困難な状況に推移すると予想される。よって,今後は,中期的な「エネルギー原単位改善を目指す設備投資計画」を策定し,継続的かつ計画的に減免獲得を目指すことが重要になる。その一方,FIT賦課金は,電気使用量に応じた-179-鉱山第778号2019年8・9月