ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

ページ
186/278

このページは 鉱山2019年8・9月号 の電子ブックに掲載されている186ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

鉱山2019年8・9月号

日本鉱業協会が会員企業に向けて実施した鉱山・製錬部門の電力使用量・電気料金に関する調査の結果,2018年度の電気料金は,前年度比12.7%増の561億円であった(図4参照)。また,2018年度の電気料金は,東日本大震災前の2010年度比38.5%増の156億円増となった。平均電気料金単価については,震災前の2010年度比33.7%増の10.64円/kWhであり,2016年度からさらに震災前の水準から高値に振れた。これは,2016年夏から石油価格に続いてLNG価格,石炭価格が上昇しているためで,2019年度の平均電気料金単価も,上昇基調が継続すると予想される。図4電気料金の推移太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの普及拡大に伴ってFIT賦課金の負担が増大する一方(表2参照),石油,天然ガスの価格上昇に伴って燃料費調整の負担が上昇基調になったことが増加要因となった(図5参照)。表2賦課金単価の推移年度2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019賦課金単価(円/kWh)0.22 0.35 0.70 1.58 2.25 2.64 2.90 2.95図5燃料価格及び燃料費調整負担額の推移1.5電気料金値下げのための要望活動非鉄金属製錬各社は,国際競争力を維持するため,コスト削減等の継続した経営努力を進めているが,大手電力の電気料金の高止まりや毎年増え続けるFIT賦課金は,損益への多大な負担となっている。日本鉱業協会は,会員企業の意向を踏まえながら,関係省庁,衆参両院の関係議員及び大手電力に対し電気料金を下げて国際的に遜色のない低廉な価格水準での安定的な電力供給の実現を要望している。また,日本鉄鋼連盟他,ものづくりを業とする電力多消費産業と連携し,強力に要望活動を進めている。2015年7月に政府が策定したエネルギーミックスは我が国のエネルギー政策の転換となる重要案件であったことから,当協会は他の業界とともに電力多消費産業団体として政府及び与党に対して波状的な要望活動を行ってきたが,エネルギーミックス決定後の政府の運用ルール作りに対しては業界毎の事情が異なることから,一時期は業界単位での要望活動であった。一転,2018年度では,日本鉄鋼連盟の提唱に賛同し,ものづくりに係る電力多消費業界団体が連名し業界を越えた要望活動を展開した。具体的に当協会は,電気やエネルギーの使用者である製造業に対して最も影響の大きい「経済効率性」,特に電力コストの部分にものづくり産業が一丸となって,需要家の立場からコストの重要性を関係各方面に訴えるべく,日本鉄鋼連盟からの共同要望活動の要請へ賛同し,4月には『電気料金抑制を実現するエネルギー・温暖鉱山第778号2019年8・9月-178-