ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

このような状況の中,一部のJIS,協会法及びISOは,直接の利用がなされず,基準法的な位置づけとなってきている。今後,第三者機関による認証システムや技能試験の普及並びに鉱山側との契約の詳細化によっては公定法を直接利用していない現状は,障害となる可能性がある。そこで,日本鉱業協会分析部会では,精鉱等の各社の分析方法について,調査を実施するとともに,将来的にはJISやISOとしての制定を視野に入れ,効率的な分析業務も考慮した統一法の確立を目指す。2試験研究の概要と成果昨年度,国際規格化に向けて検討中の精鉱中のひ素のICP-OESによる分析方法を基とした暫定分析法により,各精鉱中のペナルティー成分について検証実験を行った結果,銅,鉛及び亜鉛精鉱中の検討したすべての成分について,全分析所の平均では良好な回収率を得ることができたものの,個別の分析所の結果においては,低回収率,高回収率の場合があったことから,2018(平成30)年度は問題のあった成分についての原因調査を行った。その結果,問題のあった成分は,ICP-OESの測定波長等,測定条件に要因があることが判明した。そこで,暫定法に推奨測定条件を付す等の見直しを行い,この方法(王水-臭素分解法による酸分解-直接ICP法)を用いた分析精度確認のための共同実験を国内15ラボが参加して行った結果,各元素の回収率は概ね良好であることの他,同一の前処理で得られた溶液にて,ひ素以外の多数の元素を同時に定量できる可能性があることも示された。今後,TC183のSG5にてひ素とともに他元素同時定量方法として国際規格化を目指す予定である。2019(平成31)年度は近年,精鉱の買鉱対象主成分について自動測定が進んでいる状況であることから,将来のJIS化を見据え,各社・各事業所における自動滴定法の利用状況の調査を実施するとともに,銅の自動滴定法について手動滴定との分析値の差の確認を行う共同実験を計画している。Ⅲ現場担当者会議2018年6月13日~14日に全国鉱山・製錬所現場担当者会議が開催された。分析部門は第68回となる。13日は,トヨタ自動車㈱ユニット部品調達部松山洋司氏による「クルマを取り巻く環境の変化と,100年に一度の大変革に向けたトヨタの取り組み」と題する全体特別講演並びに一般講演10件及びISO/TC183国内委員会報告が,14日は,メトロームジャパン㈱及び東日本旅客鉄道㈱大宮総合車両センターの見学会が行われた。一般講演,部会報告の内容は次の通りである。☆(1)改正RoHS指令に対応したフタル酸エステルのスクリーニング分析三井金属鉱業㈱基礎評価研究所上尾分析技術センター(2)排水中のホウフッ化物イオン定量方法の検討DOWAテクノリサーチ㈱小坂センター開発チーム★(3)充放電サイクルによるLIBの劣化メカニズム解析住友金属鉱山㈱技術本部評価技術部市川評価技術室(4)四重極型ICP質量分析装置によるクールプラズマ法での高純度材料中の微量不純物分析三菱マテリアル㈱中央研究所分析評価研究部(5)血中鉛分析の精度向上を目的とした分析条件の検討㈱中国環境分析センター技術部環境技術課☆(6)LC-QTOF-MSによるめっき液の分析JX金属㈱技術開発センター分析グループ(7)鉱石の蛍光X線分析における正確さの向上-171-鉱山第778号2019年8・9月