ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

られず,良好な結果であったことから2019(平成31)年3月に開催された国際豪州会議にて本法の具体的な分析方法案や分析精度等についての報告を行うとともに国際共同実験の実施を提案し,これが認められた。今後,2019(令和元)年10月末までに正式なWDとして登録を行った後,PWIを実施してStage B共同実験を実施,2021(令和3)年を目途にCIBを行う予定である。2その他のWG及びSGの活動状況2019(平成31)年3月にオーストラリアのシドニーにて6ヶ国の代表者及びTC183事務局の計37名の参加により第18回国際会議が開催された。日本代表団として,ISO/TC183の国内審議団体である日本鉱業協会から後継者育成の意味も含めて7名もの代表者を派遣し,日本のJISを主体とする様々な提案や実験結果に基づく交渉を行い,多くの成果が得られた。シドニー国際会議での審議内容と日本の対応は以下の通り(経済産業省から助成を受けて活動を行ったWG13,WG16,WG23及びSG5に関するものは前述)である。・WG9:サンプリング,試料調製及び水分測定方法(コンビナー:オーストラリア)ISO 12743(硫化精鉱の成分分析,水分測定のサンプリング方法)について,マニュアルサンプリングの方法の規定の不明確な部分について修正を行うこととなり,日本はこれに同意した。また,オランダよりスピアサンプラの詳細な形状と採取方法の詳細を記述することが提案された。今後,コンビナーが規格修正案を作成,DIS登録した後,2019(令和元)年12月末までにFDIS化,2020(令和2)年6月末までにISO化する計画となった。PWI 20212(鉱石及び製錬残渣のサンプリング方法)について,鉱石,製錬生成物及び残渣の分析方法は,松江会議以降進捗がない状況であったことから,本規格の制定に関して議論となった。日本は,「あまりにも多種類の対象物を1規格に盛り込んでいることから規格を分割すること」及び「国際商取引上の物量が僅少であるためISO化の必要はない」と主張,各国からも意見が出された結果,1鉱石,2スライム及び残渣,3中間生成物(スラグ)の3つのパートに分けて規格化することとなった。コンビナーがこれらを作成して,2019(令和元)年にWDとして登録し,向こう2年間でISO化する計画を了承した。・WG10:統計計算,コンビナーズマニュアル(コンビナー:ブラジル)松江会議以降,コンビナーによる詳細な検証を経て,Part2に「Annex B統計的手法による分析精度の検証方法」を追加することとなり,シドニー会議にてコンビナーよりWG21のMethod2-Stage B共同実験の結果を利用して解析した結果の例の説明が行われた。日本は,「コンビナーズマニュアルとして正式な文書登録が行われていないことから,Part1とPart2を文書登録すること」及び「分析精度チェックを行う市販のソフトウェアが存在すること」をコメントし,ドイツからは,統計的に棄却するデータの扱いや,計算式と判断フローの追加について提案がなされた。2019(令和元)年にコンビナーが,修正したマニュアルを事務局に送り,文書登録を行うこととなった。正式文書登録後,コンビナーズマニュアルはテクニカルレポートとして広く一般に公開できる形にするための投票が行われる予定である。・WG11:輸送水分の測定方法(コンビナー:オーストラリア)鉱山側では本法を活用しており,鉱山側にとって重要なWGである。一方,日本では非鉄精鉱の輸送水分について本方法を適用している例はないが,各国の事情や標準化動向を注視するために参画している。本WGではISO 12742(輸送水分-フローテーブル法)の改訂を行うため,AWI 12742が2019(令和元)年6月にCDをスキップしてDIS登録され,8月より投票が開始された。・WG14:銅,鉛,亜鉛精鉱中の水銀の定量方法-169-鉱山第778号2019年8・9月