ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

が447億円である。「鉱物資源政策関連」の内訳は,「海外資源確保」23.6億円,「リサイクル・製錬技術」9.4億円,「希少金属備蓄」3.6億円,「海洋資源開発関連」93.8億円,JOGMEC運営交付金等が37.1億円である。「海洋資源開発関連」では,2017(平成29)年度に実施した「採鉱・揚鉱パイロット試験」結果の総合評価を踏まえ,資源量の把握や商業化システムの課題解決に取り組む。また,我が国周辺海域の海底熱水鉱床やコバルトリッチクラスト等の開発に必要な要素技術の確立を目指す。さらに,陸上及び海底熱水鉱床に応用可能な,銅鉱石中のヒ素を分離・処分する技術開発を進める。・税制2018(平成30)年度は,鉱業関連4税制(「探鉱準備金・海外探鉱準備金制度及び新鉱床探鉱費・海外新鉱床探鉱費の特別控除制度(いわゆる減耗控除制度)」,「海外投資等損失準備金制度」,「金属鉱業等鉱害防止準備金制度」,「軽油引取税の課税免除の特例措置」)のうち,「減耗控除制度」が適用期限を迎えた。法人税減税の代替財源としてこれらの税制がターゲットとなる中,厳しい交渉を強いられたが,国内鉱業者に準ずる法人等の要件の一部変更,海外自主開発法人の要件変更により,適用期限の3年延長が認められた。・市況2018(平成30)年の対米ドル円相場は,三菱UFJ銀行外国為替公示売相場TTSベースで113.75円/ドルでスタート。この円高基調は継続し,米国の保護主義とドル安容認,米政治の不透明感などから105円水準へ上昇した。4月は朝鮮半島情勢を巡る懸念の後退や米長期金利の大幅上昇を材料に円売り・ドル買いが増加し,円安水準となり,110円水準へ戻した。その後は好調な米国景気,米中貿易摩擦の懸念後退などからの円安・ドル高基調が続き,米国の保護主義的な貿易姿勢への警戒感から円が反発する状況などがあったが,9月には114円台の円安水準となった。12月に入ると世界経済の減速観測や米株安を受けて円高水準となり,112.00円で越年した。2019(平成31)年は108.66円と円高値でスタート,世界経済の減速が懸念されたが,米中貿易交渉の進展期待や米景気の好調感から一進一退で推移,年度末は111.99円で越月した。2018年の対ドルでの円最高値は3月23日の$1=105.93円,最安値は10月24日の$1=115.42円,円平均価格は前年から約2円円高の111.43円だった。銅価格は2017年まで2年に及ぶ高騰局面が続いていたが,米中貿易摩擦が世界経済に悪影響を及ぼす懸念が次第に高まる中,年後半に続落した。2018(平成30)年は,LME $7,181/t,国内建値850千円/tで始まり,2月いっぱいは$7,000圏を推移した。米国経済は好調に推移したが,米国は3月に安全保障上の脅威を理由に追加関税を発動,対象国に中国が含まれており,$7,000を割り込んだ。4月に入ると中国が報復関税を発動し,6月には米国が対中制裁関税を発表した。この影響で7月に入ると銅価格は$6,000台前半へ急落し,9月は$6,000際へと続落した。米中貿易摩擦がエスカレートしていた中,10~11月にかけてやや持ち直したが,12月には$6,000水準に軟化した。2018年の最高値は6月8日の$7,262.5,最安値は9月4日の$5,823,年間平均は前年比5.9%高の$6,525だった。翌2019年は$6,000割れで始まったが,3月にかけて$6,000台半ばへと回復基調を辿った。年度末の価格はLME $6,485,建値740千円だった。2018(平成30)年度のLME平均は,前年度比1.6%下降の$6,341,建値平均は同1.4%下降の747千円だった。鉛価格は,銅の市況と同様の背景から前年から続く高騰局面は年前半で終了し,年後半は続落した。2018(平成30)年は,LME $2,544/t,国内建値346千円/tで始まった。鉛相場は好調な米国経済を-9-鉱山第778号2019年8・9月