ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

同社は,JOGMECの助成金・出資・債務保証の支援制度を活用して坑井掘削,各種調査,地上設備の建設工事を実施している。・石油資源開発㈱が三菱マテリアル㈱,三菱ガス化学㈱と共同で実施していた北海道標津郡標津町の武佐岳地域の地熱調査においては3本の構造試錐井の総合評価(経済性並びに技術評価)を行った。その結果,当地域での地熱発電事業化は困難と判断し,調査を2017年度で終了した。4.2地熱調査・開発の実績(1)JOGMECによる地熱開発支援地熱資源量把握のための調査に対する助成金交付事業において,2018(平成30)年度は26件を採択した。探査資金出資や開発資金債務保証事業においては,発電所建設及び操業中の案件に対して継続的に事業管理を実施し,1件の新規大型債務保証案件を採択した。また,JOGMECが実施するこれら全ての財務的支援を経て,松尾八幡平地熱発電所(設備容量:7,499kW)が,当該規模では国内で22年ぶりに運転を開始した。国内地熱ポテンシャル調査については,4地域で空中物理探査を,4地域(7孔)でヒートホール調査を実施した。技術開発事業では探査技術,掘削技術及び貯留層評価・管理技術の開発を継続実施し,特に掘削技術開発においては,従来品と比べて掘進率2倍,掘削寿命5倍の耐摩耗性・耐衝撃性・安定性に優れた地熱用PDCビットの開発に成功した。また,地熱技術者人材不足の解消を目的とした各種研修の継続実施に加え,ニュージーランド政府系研究機関及びオークランド大学等と初の共同地熱技術者研修「地熱資源開発研修上級コース」を開催した。適切な地熱資源管理を促進するための「地熱資源開発アドバイザリー委員会」を活用し,鹿児島県指宿市をはじめ,地熱資源管理の調整役である自治体からの要請に基づき,6案件について専門的見地からの助言や専門家の紹介等を行った。また,「地熱シンポジウムin鹿児島」をはじめとする地熱開発の理解促進イベントを鹿児島県及び岩手県を中心に開催した。さらに,地熱資源を活用した産業振興への取り組みが模範となる地方自治体を「地熱開発のモデル地区」として認定する取り組みを開始した。(2)NEDOによる地熱発電技術の研究開発2014(平成26)年4月NEDOは,再生可能エネルギーに関する新技術を生み出し発信する拠点として,福島再生可能エネルギー研究所を開所した。2018(平成30)年度は,超臨界地熱発電に関する実現可能性調査,未利用熱エネルギーの活用に向けた技術開発,及び運転等の管理高度化に係る研究開発等が実施された。Ⅱ鉱山開発と操業の動向1.国内鉱山の動向住友金属鉱山㈱菱刈鉱山の2018(平成30)年度出鉱量は194千t,出鉱品位はAu 29.4g/tであった。また下部鉱体開発のための起業工事を引き続き実施中である。2.海外鉱山の動向・住友金属鉱山㈱及び住友商事㈱は,TeckResources Limited社の保有するQuebradaBlanca銅鉱山(チリ共和国第Ⅰ州)の権益のうち30%について,住友金属鉱山が25%,住友商事が5%の権益を取得した。・住友金属鉱山㈱及び住友商事㈱が保有していた米国アラスカ州のポゴ金鉱山は,2018(平成30)年10月にNorthern Star ResourcesLimited社(本社:豪州,パース)に全権益を譲渡した。・住友金属鉱山㈱及び住友商事㈱が権益の一部を保有する米国アリゾナ州のモレンシー鉱山は,順調に操業を実施し,産銅量は年間430千tとなった。・住友金属鉱山㈱及び住友商事㈱が権益の一部鉱山第778号2019年8・9月-160-