ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

2018(平成30)年度我が国鉱業の概要総括・全般2018(平成30)年度の世界政治は,米国の保護主義的な通商政策が強まり,米中貿易摩擦は米中貿易戦争と呼ばれるほどに高まった。米国対カナダ・メキシコでは新たな米墨加貿易協定(USMCA)が結ばれた。欧州では英国の欧州連合(EU)からの離脱が依然として不透明な状況となっている。米朝の対話は継続状況にあるものの成果は見えておらず,北朝鮮は依然としてミサイルの発射を続けている。米国はイランが米英独など6ヵ国と締結した核合意を破棄,限定的ながら米英仏がシリアを攻撃するなど,地政学リスクは継続した。世界経済は,貿易摩擦への懸念がありながらも,好調な米国経済が牽引役となり,成長のペースは鈍化したものの全体としては緩やかな回復基調で推移した。米国では良好な雇用情勢を背景に減税効果もあり,個人消費や設備投資が堅調に推移し,景気は緩やかな拡大を続けた。中国では自動車販売を中心とした個人消費の低迷や設備投資の伸び悩み等により,景気は減速傾向で推移した。欧州は景気停滞感が強まった。ドル相場は,政策金利の引き上げを着実に進めた米国のドルが上昇,株式市場の上半期は高値が続いたが,下半期は米中貿易摩擦を懸念材料として下落した。国内経済は,相次ぐ大規模自然災害による影響はあったものの,人手不足や設備の老朽化に伴う省力化・効率化に向けた設備投資など,国内需要は底堅く,堅調な企業収益を背景に,雇用・所得環境は改善が持続し,個人消費は持ち直しの動きが見られる等,緩やかな回復基調で推移した。株式市場は,世界的に株式相場が変調をきたす中,日経平均は前年から下落した。平均為替レートはほぼ前期並みとなった。非鉄相場は,通商摩擦拡大による景気減速懸念等を背景に,主要金属の平均価格は前年から値を下げた。我が国の非鉄製錬各社の業績は,8社合計の売上高がわずかながらも上昇,当期純損益は減益となった。このような環境の下,非鉄製錬業界は,当該年度も引き続き政府,学会等と連携し,電力料金の高止まり,国内リサイクル資源の海外流出,環境規制の強化,人材育成問題などの諸課題の解決に継続して取り組んだ。・鉱業関連予算2019(令和元)年度の鉱業関連予算は,合計で約203億円となった。内訳は,「鉱物資源政策関連」が168億円,「休廃止鉱山鉱害防止関連」が31億円,「海外ウラン探鉱支援事業」が4億円である。また,財政投融資計画(いわゆる財投)は「独立行政法人石油天然資源・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の出融資,債務保証」が197億円,「鉱害防止融資」が6億円,「希少金属備蓄事業費(政府保証)」鉱山第778号2019年8・9月-8-