ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

向上させ,耐食性を提供するためキャップのブラストと銃のブルーイングで使用され,4加硫剤として作用するためゴム配合薬品で使用され,5収量を増加させるためマンガンの電解生産で使用され,6被削性を向上させるため銅,鉛,鉄合金で使用される。セレンはまた,7薄膜太陽電池であるCIGS(銅とインジウム,ガリウム,セレンの化合物を材料とする薄膜状態の物質)太陽電池に使用される。セレンは8ヒトの栄養補助食品として,またフケ防止シャンプーにおいて使用される。セレンの9農業用の主用途として,家畜のための栄養補助サプリメントや痩せた土壌を豊かにする肥料添加物等がある(主な用途として9ほどの用途がセレンにある)。世界の消費割合の推定値は以下のとおりで,米国もほぼ同様の割合となっている。冶金40%,ガラス製造25%,農業10%,化学薬品や顔料10%,電子機器10%,その他の用途5%。米国内の二次セレン地金の国内生産はほとんど小規模であると推定される。なぜなら,古い普通紙複写機や電子材料からの多くのスクラップが,含有されるセレン回収のために輸出されているからである。Ⅲ.国内の需給1.セレン地金生産(表2参照)2018年の国内生産量は750tで前年比5.4%減と再び低下した。生産は800t台には届かず,この数年間,700t台半ばが続いている。2019年の国内生産も,例年と変わらず推移する見込み。2018年に銅地金生産は上昇したものの,銅鉱石中に含まれるセレンの品位が低下したためと推量される。2.セレン地金消費(表2,図1参照)2018年のセレン地金の見掛け消費は前年比1.1%増の187tと3年ぶりに上昇したが,低水準の域を出なかった。一方,国内販売量(内需報告値)は前年比16.1%減の153tとこちらは3年連続で低下し,前年に引き続き,2005年の112t以来13年ぶりの低い水準となった。結果としては,増減が一致しなかったが,傾向は低水準のままで,需給状況は輸出ポジションであることに変わりはなかった。近年の内需報告値は180~200tで推移しているが,2018年はとくにガラス添加材や化学薬品向け,その他の用途が振るわなかった。その他向けの減は,太陽電池向けの需要減が影響していると思われる。一方,前年減少した整流器,乾式複写機向けは約5倍弱も伸び,需要分野の中で一人気を吐いた。2018年の用途別のシェアでは,増加した整流器,乾式複写機がそのシェアを約5倍伸ばし,減少幅が低かった化学薬品も僅かに上昇したが,それら以外の需要分野は減少した。3.輸出入(表3,4参照)毎年,僅かな量しかないセレン地金の輸入だが,2018年では17tと前年比84.2%も増加した。表2セレン国内需給表(単位:kg,%)暦年2009年2010年2011年2012年2013年2014年2015年2016年2017年2018年構成比18/17期初在庫176,237119,260103,600125,951149,305121,526109,935138,308114,035119,0074.4生産739,635803,565809,183820,463738,897782,402771,568753,323792,312749,676▲5.4輸入1,0008,22612,80711,8104,0105,5485,6388,1349,10716,77484.2供給計916,872931,051925,590958,224892,212909,476887,141899,765915,454885,457▲3.3内需(見掛値)132,670172,098226,631222,074185,537207,308211,249189,328185,122187,0781.1内需(報告値)194,440204,751248,769229,483202,790195,333214,347195,013182,017152,659100.0▲16.1整流器,乾式複写機7,2635,2956,5955,8654,1731,9452,7973,1052,33110,4706.9349.2ガラス30,56741,71346,99339,72151,69355,61952,39454,96343,56729,68819.4▲31.9化学薬品22,79016,2383,3587,64310,40310,9789,11110,40913,31412,1948.0▲8.4顔料1,285000001,9000000.0-その他132,535141,505191,823176,254136,521126,791148,145126,536122,805100,30765.7▲18.3輸出664,942655,353573,008586,845585,149592,233537,584596,402611,325564,946▲7.6期末在庫119,260103,600125,951149,305121,526109,935138,308114,035119,007133,43312.1(注)生産,内需報告値及びその内訳(=国内出荷量),在庫(=生産者在庫)は日本鉱業協会資料であり,国内生産者の集計値である。国内生産者は三井金属鉱業,三菱マテリアル,JX金属(旧JX日鉱日石金属),住友金属鉱山,新興化学工業,アジア物性材料(順不同)。出所:日本鉱業協会資料,日本貿易月表-145-鉱山第778号2019年8・9月