ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

は前年のカンポモラド鉱山の操業再開により3.0%増の691千t,ボリビアは9.1%増の550千t,カナダはシルバーティップ鉱山の新規稼働,ラロア鉱山の能力増強,マイラフォールズ鉱山の再開にもかかわらず16.9%減の286千tにとどまった。ブラジルは7.1%増の167千t。オーストラリアは31.6%増の1,112千tと3年ぶりに100万t台を回復した。前年のドゥガルド鉱山の新規稼働,タランガ,ムンガナ鉱山の再開に加え,2018年はセンチュリー,ヘリヤー鉱山のテイリング処理プラントが新規稼働し,レディロレッタ鉱山が再開された。ヨーロッパでは,ロシアが7.9%増の315千t,スウェーデンが6.6%減の239千t,アイルランドが132千tで横ばい,ギリシャではオリンピアス鉱山が新規稼働した。マケドニアはトラニカ,ズレトボ鉱山の立ち上げ,スペインはソティエル,アグアステニダス鉱山の立ち上げで増加した。アフリカでは,ナミビアがロシュピナ鉱山の能力増強にもかかわらず減少,エリトリアがビシャ鉱山の立ち上げで増加した。(2)亜鉛地金生産2018年の世界の亜鉛地金生産は前年比横ばいの13,177千tと2013年以来の低水準にとどまった。(表4参照)2018年の世界の亜鉛地金生産能力は4ヵ所で240千t/年増加,1ヵ所で100千t/年減少し,ネットでは140千t/年増加した。(鉛―海外の項,表7表,表8-3参照)亜鉛地金の原料別生産内訳は,精鉱を原料とする一次地金生産が2.8%減の11,954千t,スクラップや電炉ダストを原料とする二次地金生産が31.3%増の1,217千tで,構成比は各91%,8%となった。(表2参照)地域別には,ヨーロッパが3.5%,アメリカが7.9%,オセアニアが4.7%増加,アジアが3.1%,アフリカが20.2%減少した。アジアでは,中国が政府の供給構造改革,環境規制政策やTCの悪化を背景とした協調減産により3.1%減の5,670千tと2年連続で減少した。韓国は2.2%増の866千tとなった。前年は温山製錬所がTC悪化のため減産を実施した。インドは8.8%減の746千t,日本は521千tの横ばいで1965年以来の低水準となった。カザフスタンは329千tで横ばい,イランは7.1%減の130千tであった。タイは前年,メソッド鉱山の鉱量枯渇に伴いターク製錬所が閉鎖された。アメリカ大陸では,カナダがバレーフィールド製錬所の長期ストのため1990年以来の低水準に落ち込んでいたが,前年比6.4%増の696千tに回復した。前年,カハマルキーヤ製錬所の集中豪雨による減産を余儀なくされたペルーは7.1%増の334千tに回復した。メキシコは6.4%増の348千t,ブラジルは1.2%増の246千tであった。米国は12.1%減の116千tと歴史的低水準で推移している。ヨーロッパでは,スペインが526千tで横ばい,フィンランドが4.2%増の295千t,ベルギーが10.0%増の276千t,オランダが8.1%増の268千t,ロシアが263千tで横ばい,ノルウェーが前年のオッダ製錬所の能力増強により4.3%増の169千tとなった。オーストラリアは4.7%増の490千t,アフリカは20.2%減の67千tであった。(3)亜鉛地金消費2018年の世界の亜鉛地金消費は13,679千tと前年比横ばいであった。(表5参照)亜鉛消費の指標となる鉄鋼の生産状況については,世界鉄鋼協会(World Steel association)によれば,2018年の世界の粗鋼生産は前年比表2亜鉛需給バランス(単位:1000,%)暦年2014年2015年2016年2017年2018年18/17鉱石生産13,47213,68312,82512,52512,7431.7地金生産13,39713,81113,54713,22113,171▲0.4一次地金12,57412,91912,70212,29411,954▲2.8二次地金8238928459271,21731.3地金消費13,67213,64113,67613,68213,679地金バランス▲275170▲143▲461▲50810.2年末在庫1,5701,4671,3741,024897▲12.4(出典)Lead and Zinc Statistics 2019.6-109-鉱山第778号2019年8・9月