ブックタイトル鉱山2019年8・9月号

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概要

鉱山2019年8・9月号

【国内】I.建値推移(表1,図1参照)2018(平成30)年の国内鉛山元建値は2008年3月以来の高値である351千円/t(トン)と300千台をしっかりキープしてスタート,その後,緩やかな下落基調を辿るも,7月中旬まで同水準を保っていたが,同月下旬では300千円台を割り込んだ。それは前の年の6月以来となった。その後も概ね続落基調,年末にかけて200千円台後半を小浮動推移した。越年相場は286千円となった。年明け以降も,概ね200千円後半での小動きが継続している。2018年の鉛建値の年間最高値は,1月上旬の351千円,最安値は11月初旬の274千円となった。年平均価格は310.6千円と前の年より約8.3千円低下した。平均価格は2年ぶりの低下となった。Ⅱ.2018(平成30)年度需給動向1.電気鉛生産(表2参照)2018(平成30)年度の生産は3年ぶりに前年度を下回り,前年度比3.6%減の194千tと低下した。200千t台割れは2年ぶりで,1968(昭和43)年度の168千t以来50年ぶりの低水準となった。スクラップ出の生産は環境規制の強化により韓国への廃バッテリー流出が2018年度に実質的に抑制されたことにより,前年度比16.9%も増加したにもかかわらず,海外鉱出とその他出が大幅に低下したことで,50年ぶりの低水準生産となった。海外鉱の入荷は原料事情の悪化から低下したが,それが前年並みであれば,200千t台には到達していたであろう。昨年でもここの欄で述べた通り,関連業界から国へ積極的に働きかけた結果,バーゼル国内法の改正が環境省及び経済産業省の積極的な関与により実現,その国内法改正により2017(平成29)年6月から我が国の特定有害廃棄物等の輸出規定が,現状より厳しいものになることとなった。ただ,廃バッテリーの輸入元である韓国の再生業者の輸入ライセンス(法改正前の輸入ライセンス)の多くがほぼ1年間の期間を残していたため,2017年6月から急激に減ることはなかった。しかし,2018年では年央でのライセンス切れから,実質的に韓国への輸出は年後半より激減し,現在でもその状況は継続中である。2.再生鉛需給(表3参照)2018年度の再生鉛生産は,電気鉛生産の項でも述べた通り,また,前年この項でも予測した通り,再生鉛の主原料である廃バッテリーの韓国への流出が抑えられたことで増加,前年度比6.2%増の42.5千tと2年ぶりに上昇した。2018年度の消費に関しては,輸入減と生産増による輸出増から再び見掛け消費(供給計-輸表1鉛建値推移2018(平成30)年1月4日351千円3月20日308千円6月19日329千円8月16日284千円1月18日344千円4月2日316千円7月10日322千円9月3日292千円2月21日333千円5月22日324千円7月17日307千円11月1日274千円3月1日330千円6月1日329千円7月24日296千円11月12日286千円3月7日317千円6月7日339千円8月1日301千円年間最高値351千円年間最低値274千円2019(平成31、令和元)年1月7日274千円3月22日288千円1月22日283千円4月10日282千円2月1日291千円5月7日271千円3月1日300千円5月13日264千円3月13日295千円6月3日260千円鉱山第778号2019年8・9月-98-