ブックタイトル鉱山2019年7月号

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概要

鉱山2019年7月号

きる高さであり,断面はきれいな五角形に,さらに壁面は必要以上に滑らかに削られ,場所によってはクモの巣のような模様が刻まれているのである。当時の職人の技術の高さだけでなく,仕事への誇りや遊び心も感じられる。このようにして掘削された疎水坑道は,昭和時代までアクセス道路にも使用され(さすがに現在は一般住民の立ち入りは禁止されている),操業当時だけでなく,現在もなお鉱山管理のために使用され続けている。鉱山の排水は,pHは低いものの,重金属の濃度は排水基準を満足しているため,苛性ソーダによりpHを調整して河川に排出している。この他にも,日本最初の洋式立坑となる大立竪坑,東洋一を誇った選鉱場跡(写真3),金銀精鉱の搬出,発電用石炭や諸資材の搬入で賑わった大間港などを見学した。なお,佐渡市と新潟県は「金を中心とする佐渡鉱山の遺産群」として世界遺産への登録を目指している。最後に,今回の研究会開催に際して,現地案内及び準備にご協力いただいた浦野社長をはじめとする株式会社ゴールデン佐渡の皆さまに厚く御礼申し上げます。写真1集合写真(疎水坑道入り口前にて)写真2集合写真(道遊の割戸前にて)写真3選鉱場跡写真4道遊の割戸(大佐渡スカイラインより)鉱山第777号2019年7月-52-