ブックタイトル鉱山2019年7月号

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概要

鉱山2019年7月号

途中も,工程で発生したガスを一時貯蔵するタンクや,製品を搬送するための貨車と線路等,様々な設備について説明を受け,製鉄所が一大コンビナートとして運営されている実態を目の当たりにすることができました。そうするうちに,高炉に到着し,出銑の状況を車内から見学します。オレンジ色の銑鉄がトーピードカーと呼ばれる運搬用の貨車に注ぎ込まれる様子を,離れた場所から見ることができました。次に,厚板工場と呼ばれる圧延工程に移動し,ここでは下車して実際の工程を間近で見学しました。圧延工程では,冷却に大量の水が使用されており,スラブの熱気と立ちのぼる水蒸気の迫力に圧倒されます。この大量の水を供給してくれるのが,すぐ横を流れている高梁川だそうで,この場所に,大量の水を必要とする製鉄所が作られた所以の1つだということでした。ここで製造されている厚板は,船舶等に用いられる鋼板が中心で,特にテーパープレートと呼ばれる,厚みに勾配を持たせた特殊な厚板は,圧延時に圧下量を徐々に変化させるという高度な技術で生産されているとのことでした。構内を移動するバス車中でも,製鉄所で発生する副産物であるスラグを積み上げた場所やコークスガスを利用してごみ処理を行うサーモセレクト炉等についても,ご説明いただきました。最後に見学センターに戻り,製鉄所の様々な工程を解説する展示を見学し,質疑応答を行いました。4.高周波熱錬株式会社岡山工場JFEスチール西日本製鉄所をバスで出発し,昼食休憩を経て約30分の走行で,総社市にある高周波熱錬㈱岡山工場に到着しました。まず,藤江工場長と岩佐管理課長から会社紹介と岡山工場の事業内容についてご説明いただきました。同社は,IH技術をコアテクノロジーとして,コンクリートの鉄筋に用いられるPC鋼棒や,油圧ショベルの旋回輪,自動車用ばね鋼線,ステアリング用中空ラックバー,シリンダーブロック等の製造,または,高周波焼入れ処理を行う他,誘導加熱設備の装置販売を事業として行っているそうです。IH技術は,熱処理技術として,CO 2排出が少なく環境に優しい技術とのこと。今回,見学に伺った岡山工場は,自動車部品の熱処理加工を行う工場で,道路を挟んで,第1工場と第2工場の2つの工場があり,2003年に第1工場,2006年に第2工場が建設されたそうです。140名が働くこの工場では,1か月に240万個の部品の熱処理を行っているとのことでした。説明の後,現場を見学させていただき,自動写真3高周波熱錬岡山工場にて集合写真-25-鉱山第777号2019年7月